カンヌ映画祭閉幕!パルムドールはポン・ジュノ監督が初受賞で2年連続アジア作品に

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カンヌ映画祭閉幕!パルムドールはポン・ジュノ監督が初受賞で2年連続アジア作品に

12日間に渡って開催されていた第72回カンヌ国際映画祭が現地時間25日に閉幕し、ポン・ジュノ監督の『Parasite(英題)』がパルムドールに輝いた。韓国作品が最高賞に輝くのは史上初、折しも今年は韓国映画誕生100周年の記念の年であり、大きな栄誉を追加することができた。昨年のパルムドールは是枝裕和監督の『万引き家族』(18)で、2年連続アジア映画の受賞となる。

ポン・ジュノ監督の『Parasite(英題)』が今年のパルムドールに!
ポン・ジュノ監督の『Parasite(英題)』が今年のパルムドールに![c]2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

審査委員長のアレハンドロ・G・イニャリトゥは授賞式で、「今年のコンペティション部門の作品は、現在の世界で何が起きているのかを独創的な形で表現し、想像もつかない場所に連れていってくれる作品ばかりだった。我々審査員たちは民主主義的な議論を重ね、パルムドールの作品は審査員満場一致で決定した。鑑賞した瞬間からこの映画に魅せられ、時間が経つにつれて私たちの中で映画が育っていくことを感じた」ことを選出理由に挙げている。授賞式でポン・ジュノ監督は、自身の作品の常連で今作でも主演しているソン・ガンホと共に壇上に上がり、「フランス映画から多くのインスピレーションをいただいてきた。フランスの偉大な監督、アンリ=ジョルジュ・クルーゾーとクロード・シャブロルの両監督に感謝したいと思います」と述べた。

主演ソン・ガンホと共に喜びの表情を見せたポン・ジュノ監督
主演ソン・ガンホと共に喜びの表情を見せたポン・ジュノ監督写真:SPLASH/アフロ

男優賞は『Parasite(英題)』とともに下馬評の高かったペドロ・アルモドバル監督の『Pain and Glory(英題)』に主演したアントニオ・バンデラスが受賞した。バンデラスは、「レッドカーペットで、(カンヌ映画祭ディレクターの)ティエリー・フレモーに『ここまで来るのにどれくらいかかりましたか?』と聞かれた。彼は物理的な距離を聞いていたのだろうが、私の答えは、『40年です』でした。俳優には過酷なときもたくさんあるけれど、輝かしい瞬間もある。今夜はまさに栄誉(Glory)な夜です」と、映画のタイトルにかけてスピーチ。今作でペドロ・アルモドバル自身を投影した役柄を演じたバンデラスは、「ペドロに出会って40年、8本の映画を共に作りました。この賞は俳優としてとても名誉ですが、同時に演じた役柄に与えられたものだと思います。尊敬するアルモドバル監督にこの賞を捧げます」と述べ、会場から大きな拍手で迎えられた。

男優賞は『Pain and Glory(英題)』に主演したアントニオ・バンデラス
男優賞は『Pain and Glory(英題)』に主演したアントニオ・バンデラス写真:SPLASH/アフロ

今年のカンヌ映画祭では、21本のコンペティション参加作品が上映された。パルムドールの『Parasite(英題)』、審査委員賞の『Les miserables』、オープニング作品の『The Dead Don’t Die(原題)』(ジム・ジャームッシュ監督)、『A Hidden Life(原題)』(テレンス・マリック監督)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(クエンティン・タランティーノ監督)は日本公開が決定している。

ブラピ&ディカプリオ共演作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
ブラピ&ディカプリオ共演作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

その他のコンペティション部門受賞結果は下記の通り。

●パルムドール ポン・ジュノ『Parasite(英題)』(韓国)

●グランプリ マティ・ディオプ『Atlantics(原題)』(フランス、セネガル、ベルギー)

●監督賞 ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ『Young Ahmed(英題)』(ベルギー、フランス)

●審査員賞 ラジ・リ『Les miserables』(フランス)、クレベール・メンドンサ・フィリオ、ジュリアーノ・ドルネレス『Bacurau』(ブラジル、フランス)

●男優賞 アントニオ・バンデラス『Pain and Glory』(スペイン)

●女優賞 エミリー・ビーチャム『Little Joe』(オーストリア、イギリス、ドイツ)

●脚本賞 セリーヌ・シアマ『Portrait of a Lady on Fire(英題)」(フランス)

●短編部門パルムドール ヴァシリス・ケカトス『The Distance Between Us and the Sky(英題)』(ギリシャ、フランス)

文/平井伊都子

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