“007”ファンのクリストファー・ノーラン監督最新作はスパイアクション!『Tenet(原題)』が撮影開始
米国時間5月22日、ワーナー・ブラザースは『インセプション』(10)や「ダークナイト」シリーズで有名な英国人映画監督クリストファー・ノーランの、新作映画のタイトルが『Tenet(原題)』に決定し、撮影が開始したと発表した。
本作は、2017年公開の『ダンケルク』以降、ノーラン監督が手掛ける初の長編作品となる。内容の詳細は未だ明かされていないが、世界を舞台にしたスパイアクション大作になるそうだ。脚本の基盤はノーラン監督自身が執筆しており、7カ国で撮影される予定。
キャストは、「ダークナイト」シリーズや『インターステラー』(14)など、ノーラン監督作品には常連のマイケル・ケインや、『ダンケルク』でボルトン海軍中佐役を演じ、本人も映画監督であるケネス・ブラナーに加えて、「トワイライト」シリーズのロバート・パティンソン、『キック・アス』(10)や『ノクターナル・アニマルズ』(16)で知られるアーロン・テイラー=ジョンソン、インド人女優のディンプル・カパディア、ドラマ「ナイト・マネジャー」のエリザベス・デビッキ、『ブラック・クランズマン』(18)のジョン・デヴィッド・ワシントン、フランス人女優のクレマンス・ポエジーらの出演が決まっている。
撮影監督は、ノーラン監督と幾度もタッグを組むホイテ・ヴァン・ホイテマ。フィルムで映画を撮影することにこだわりがあるノーラン監督だが、本作もIMAXカメラと70mmフィルムを駆使して製作されるそうだ。また、美術監督はノーラン監督の『インターステラー』、『ダンケルク』のほかドラマ「ウエストワールド」も手がけるネイサン・クロウリー、衣裳デザインは『ダンケルク』、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(18)のジェフリー・カーランド、視覚効果スーパーバイザーは、アンドリュー・ジャクソン。クリストファー・ノーランは、エマ・トーマスとともにプロデューサーとしても本作に携わる。
編集は本作がノーラン作品初参加となるジェニファー・レイム。実は、2005年の『バットマン ビギンズ』から、長年ノーラン監督の作品の編集を手掛けてきたエディターのリー・スミスが、サム・メンデス監督の『1917(原題)』の作業でスケジュールが合わず、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(16)や『ヘレディタリー/継承』(18)を担当した女性エディターのレイムが本作に大抜擢されたのだ。音楽は『ブラックパンサー』(18)で第91回アカデミー賞作曲賞に輝いた作曲家ルドウィグ・ゴランソンが担当する。
ノーラン監督はファンの間で「007」の新しい監督候補として名前が挙がっており、本人も以前からボンド映画を「いつかは監督してみたい」とも発言している。今回『Tenet(原題)』でスパイ映画の監督をすることが決まり、ボンド映画の監督が実現する前に、彼の描くスパイアクションはどのような世界観になるのか、きっと垣間見ることができるだろう。『Tenet(原題)』は2020年7月17日に公開予定。
LA在住/小池かおる