『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』は撮影現場で編集!?スタッフが制作秘話を明かす
「スター・ウォーズ」シリーズ第9作、『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』の制作秘話が、編集を担当したスタッフのインタビューで明かされた。本作のエディターのメリアン・ブランドン氏は、英「EXPRESS」とのインタビューで、限られた時間で本作を完成させるため、編集作業を撮影現場で同時進行させたと語る。
ブランドン氏は、J・J・エイブラムスが初めて長編の監督をした映画『M:i:III』(06)から、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)に到るまで、長年監督直属のエディターとして仕事をしてきた女性だ。彼女は同インタビューで、「『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の時は、5月に制作が開始し、10月に撮影が終了。そして翌年の12月に公開する、というスケジュールでしたが、今回は去年8月まで制作が開始せず、年を明けた2月に撮影終了。公開は12 月ですので、『フォースの覚醒』より4ヶ月も時間が短縮しました。大作映画なのですけれどね」と、タイトな制作スケジュールであることを明かした。
そこでブランドン氏は、撮影中に編集を同時進行させることを提案。今まで撮影現場で同時に編集作業をしたことがなかったエイブラムス監督は、当初はこの作業スタイルに躊躇を示したのだとか。しかしブランドン氏に「とりあえずやってみましょう」と説得され、監督も合意したそうだ。ブランドン氏は、「私は撮影中ずっとセットにいたんですよ。エイブラムス監督もそれに慣れて、「常に僕の3メートル範囲に居てね」と言うので、監督とカメラが3メートル動いたら私も一緒に移動する…という感じでした。」とコメント。監督に寄り添い現場で編集をした経験は、彼女にとっても、映画にとっても効率的だったとも語る。「キャストと仲良くなれましたし、撮影スタッフと一体化することができて素晴らしかったです。その日撮影される内容を見学しながら、前日に撮影された映像を編集しました。もし映像に関して質問があったら、すぐにその場にいる撮影監督に聞くことができましたし、私が編集に必要なカットを監督に提案し、監督も必要だと判断したらセットの端にグリーンスクリーンをすぐに用意して撮影することもできましたよ。俳優の皆さんと打ち解けられたことで、皆それぞれどのような苦労があるのかも理解することができました」と語る。
通常映画やテレビのポスプロ作業は、 現場から離れた場所にいるエディターのもとに映像が届き、そこから作業が開始する。しかし今回ブランドン氏のような作品の「流れ」を作るエディターが撮影現場にいたことは、 製作の時間とコスト削減に大いに貢献したに違いない。この手法が本作の完成度につながったと実感すれば、今後エイブラムス監督が手がける作品の多くで、撮影と編集が同時進行するスタイルになるかもしれない。
『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』には、デイジー・リドリー演じるレイ、ジョン・ボイエガのフィン、オスカー・アイザックのポー・ダメロン、そしてアダム・ドライバーが演じるカイロ・レンといったお馴染みのメインキャストに加えて、新しく「ジ・アメリカンズ」で有名な女優のケリー・ラッセルが悪役ゾリ・ブリス役で、リチャード・E・グラントがファースト・オーダーの将軍プライド役で、またナオミ・アッキーがジャナ役で登場する。
『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望 』(77)より続くスカイウォーカー・サーガの最終作であり、新3部作の完結編でもある。いよいよレジスタンスとファースト・オーダーの対決のクライマックスを迎える本作で、 マーク・ハミルが演じるルーク・スカイウォーカーがどのような形で本作に復活するのか、そして故キャリー・フィッシャーのレイア将軍はどのように描かれるのかなど、期待の見所は盛りだくさんだ。『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』は12月20日(金)に日米同時公開予定。
LA在住/小池かおる