【連載】『南沙良の 映画と小惑星ふたつぶんくらいの愛』第7回 今月のテーマ:お祝い

コラム

【連載】『南沙良の 映画と小惑星ふたつぶんくらいの愛』第7回 今月のテーマ:お祝い

17歳の演技派、南沙良が「DVD&動画配信でーた」にて「南沙良の 映画と小惑星ふたつぶんくらいの愛 いよいよ壁がなくなるぞー!のテンションで映画を観る」を好評連載中。毎回ぱっと思いついたテーマをもとに、編集部がセレクトした映画を鑑賞。ときに趣味や普段の生活などの話題に脱線しつつ、彼女の素顔が垣間見えるような内容になっている。第7回のテーマは、6月11日の誕生日にあわせて、“お祝い”。ところが、作品チョイスでお母さんにハメられてしまい…?!

「クリスマスは、自分の好きなものを自分で買って、箱に詰めて、ツリーの下に置いて、自分で開けるんです!」

南沙良、連載第7回のテーマは“お祝い”
南沙良、連載第7回のテーマは“お祝い”撮影/杉映貴子 ヘアメイク/平井寛功 スタイリスト/道券芳恵

――南さんの誕生日が6月11日だったので、今回テーマを「お祝い」にしたんですが、「お祝い」から想像されるハッピーな内容からはほど遠い映画で…なんかすみません。

「編集部さんから何作か候補が送られてきて、どれにしようかなと思ってたら、母が『これがいいんじゃない?』って。私、ホラー系がホントに苦手なのに…。母は内容を知ってたらしくて、見事にハメられました(笑)」

――冒頭から血がドバー…。

「夜中に観始め、10分くらい観て、あ、ダメだと。翌日続きを観たんですが、やっぱりアウトでした(笑)」

――いちばんのアウトは?

「岸田今日子さんの子守唄です! 耳元で囁かれたら、泣いちゃうに決まってます!」

――ミステリーとしてかなり意外性のある展開でした。

「全然予想できないラストでした。…けど、あの後味の悪い終わり方! モヤモヤしちゃいました。私は岩下志麻さん演じるバーのママ、ゆき子が××(ネタバレ)だと思ってたんですが、そのせいで、ゆき子が出てくるたび心臓がバクバク。ああ、これは死亡フラグ死亡フラグ…って言葉が頭をぐるぐる(泣)」

『あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション この子の七つのお祝いに』 3300円
『あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション この子の七つのお祝いに』 3300円[c] 1982 松竹株式会社

――…じゃあ、つらかった映画の話はやめて、南さんの誕生日の思い出話でも。

「毎年、家族が誕生パーティを開いてくれるんですけど、それ以外の思い出が全く…ないんです」

――えっと、南さんくらいの年頃だと、友達同士でプレゼント交換とか。

「私もそれをイメージしてたんですけど、今のところないですね。悲しいんですけど(笑)」

――これはこれでつらい…。で、でも家族から祝ってもらうのは楽しみでしたよね?

「実は、あんまり(笑)。1カ月前に欲しいものを言ったらプレゼントとして買ってくれるんですけど、日常のわがままの延長なので、特別感がないんですよ。もっと祝ってくれる人がいたら、違ったかもしれないんですけど(笑)」

――逆に友達を祝うことは?

「それも特に…。あの、誕プレって何をあげればいいのか分からないんですよ」

――…誕生日の話、やめましょうか(笑)。じゃあ南さんが「お祝い」から想像するいちばんハッピーなイベントは?

「クリスマスですっ! それだけはっ! 唯一楽しめるお祝いっ!」

唯一楽しめる“お祝い”は、クリスマス!
唯一楽しめる“お祝い”は、クリスマス!撮影/杉映貴子 ヘアメイク/平井寛功 スタイリスト/道券芳恵

――一応聞きますけど、それも友達とではなく…。

「はい、家族と(笑)。ちゃんとケーキを用意して、ツリーを飾り付けて、プレゼントをツリーの下に置くんです」

――家族とプレゼント交換をするんですか?

「違います。自分の好きなものを自分で買って、箱に詰めて、ツリーの下に置いて、25日に自分で開けるんですよ」

――クリスマスってそんなセルフ・システムでしたっけ?

「うちは家族全員、自分にプレゼントを買ってますよ」

――前々から思ってたんですけど、南家の習慣ってちょっと変ですよね。

「クリスマスってすごくあたたかいというか、ひとりでもさみしくないぞ!って気になれるんですよ」

――一般的に「クリぼっち」は寂しさが募りますけどね。

「いえ、私にとって唯一ひとりで楽しめるイベントがクリスマスですから!(キリッ)」

――“唯一”って、そんな自信満々に言われても(笑)。

【写真を見る】キリン「午後の紅茶」のCMに出演中の南沙良
【写真を見る】キリン「午後の紅茶」のCMに出演中の南沙良撮影/杉映貴子 ヘアメイク/平井寛功 スタイリスト/道券芳恵

写真&ひとこと:たまに見かけるマヌケなドクロかわいい。

「これでいい」と「これがいい」のバランスを上手く考えたい
「これでいい」と「これがいい」のバランスを上手く考えたい

丁寧に紅茶を入れること、お花に水をあげること、洗面台を磨くこと。生活の優先順位を大切に扱うことが「これでいい」と「これがいい」のバランスを上手く考えることにつながっている気がして、最近は肩の力を抜いています。

取材・文/稲田豊史

●南沙良 プロフィール
2002年6月11日生まれ、神奈川県出身。第18回ニコラモデルオーディションのグランプリを受賞し、同誌専属モデルに。女優としては、映画『幼な子われらに生まれ』(17)に出演し、デビュー作ながらも、報知映画賞、ブルーリボン賞・新人賞にノミネート。その後、行定勲が監督を務めたロックバンド・レベッカの17年ぶりの新曲「恋に堕ちたら」(17)のMVに主演。映画初主演作『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)では、第43回報知映画賞、第61回ブルーリボン賞・新人賞、第33回高崎映画祭・最優秀新人女優賞、第28回日本映画批評家大賞・新人女優賞を受賞し、その演技力が高く評価される。2月8日公開の映画『21世紀の女の子』(19)、現在公開中の映画『居眠り磐音』(19)にも出演。8月24日公開『無限ファンデーション』(19)、来春公開『もみの家』(20)の2本の主演映画が控える。1月に放送された、第30回フジテレビヤングシナリオ大賞・大賞受賞作『ココア』(フジテレビ系)ではドラマデビュー&初主演。またモデルとしても、「NYLON JAPAN」「GQ JAPAN」「ELLE Japan」「装苑」などの、数多くのファッションメディアに出演している。江崎グリコ「ポッキー」イメージキャラクター。「キリン 午後の紅茶」新イメージキャラクター。

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