日本人監督初の快挙!是枝裕和監督『真実』がヴェネチア国際映画祭オープニング作品に決定
現地時間8月28日(水)から9月7日(土)にかけて開催される世界三大映画祭のひとつ第76回ヴェネチア国際映画祭において、昨年『万引き家族』(18)で第71回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督の最新作『真実』(10月11日公開)がコンペティション部門のオープニング作品として上映されることが発表された。
昨年はアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』(18)が、一昨年はギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)が最高賞に当たる金獅子賞を受賞し、それぞれが翌年のアカデミー賞で主要部門を席巻するなど、近年とくに大きな注目を集めているヴェネチア国際映画祭。『真実』もコンペティション部門の有力作品の一角として注目を集めると同時に、来年のアカデミー賞へ向けた賞レースへの参戦が期待されている。
是枝監督がヴェネチア国際映画祭に参加するのはこれが3度目で、長編デビュー作となった『幻の光』(95)で第52回金のオゼッラ賞を受賞。その後『三度目の殺人』(17)が第74回のコンペティション部門に出品。日本人監督が手がける作品が同映画祭のオープニングを飾るのはこれが初めてのこと。また過去には黒澤明監督が『羅生門』(50)で、稲垣浩監督が『無法松の一生』(58)で、北野武監督が『HANA-BI』(97)で金獅子賞を受賞しており、本作が受賞すれば日本人監督作品として22年ぶりの快挙となる。
今回の決定を受けて是枝監督は「私の新作『真実』が、ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門オープニング作品に選ばれたという嬉しいお知らせを頂きました。大変光栄です。映画祭関係者の皆さんにまず感謝致します。撮影は昨年の秋に10週間パリで行いました。発表された通り、キャストは本当に華やかなのですが、物語の七割は家の中で展開していく、小さな小さな、家族のお話です。その小さな宇宙の中に出来る限りの後悔や嘘や見栄や寂しさや、和解や喜びを詰め込んでみました。どうぞ、お楽しみください」とコメント。
『真実』は、ある国民的女優が出版した自伝本をめぐって巻き起こる愛憎うずまく物語。カトリーヌ・ドヌーヴをはじめジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホーク、リュディヴィーヌ・サニエら世界的名優たちが共演を果たしている。はたして是枝監督はカンヌにつづいて世界三大映画祭制覇となるのか。本作から届けられる吉報に大いに期待したい!
文/久保田 和馬