深田晃司監督と筒井真理子が歓喜!『よこがお』がロカルノ国際映画祭に正式出品決定
『淵に立つ』(16)で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した深田晃司監督と、同作で主演を務め、数々の映画賞を受賞した筒井真理子のタッグで送る『よこがお』が、7月26日(金)から公開される。公開を目前に控えた本作が、現地時間8月7日から17日までスイス、ロカルノにて開催される第72回ロカルノ国際映画祭国際コンペティション部門に正式出品されることが決定した。
訪問看護師の市子(筒井)は、その献身的な仕事ぶりで周囲から厚く信頼されており、訪問先の大石家の長女、基子(市川実日子)の介護福祉士になるための勉強も見ていた。だが、基子の妹サキ(小川未祐)が行方不明になったことをきっかけに、ねじまげられた真実と予期せぬ裏切りでそれまでの生活が崩壊。すべてを失った市子は葛藤の末、“リサ”としてある男の前に現れる…。
出品決定のニュースに、深田監督は「ロカルノ国際映画祭はここ数年、最も憧れた映画祭でした」と喜びのコメントを発表。
1946年に始まったロカルノ映画祭は、ヴェネチアやカンヌ、ベルリンと並び世界で最も歴史ある映画祭の1つだ。最高賞となる金豹賞を受賞した日本映画には、衣笠貞之助監督の『地獄門』(53)、市川崑監督の『野火』(59)など日本映画界の巨匠による傑作が軒を連ねる。近年では、2015年に濱口竜介監督の『ハッピーアワー』にワークショップを経て出演した4人の女優たち(田中幸恵、菊池葉月、三原麻衣子、川村りら)が最優秀女優賞を受賞し、話題となった。
深田監督は「同世代の作家たちがロカルノの地で世界の一線の映画と対峙しているのを見て、自分も早く行かねば、と妙に焦っていたものでした」と憧れの舞台に立てることを素直に喜びつつ、「筒井真理子さんら素晴らしい俳優たちを早く見せつけたいです」と受賞への意欲ものぞかせた。
また筒井も「自由の精神を70年以上持ち続けるロカルノ国際映画祭のコンペティションに選出されたことは大変誇らしく、現地でどの様な感想や意見に出会えるのか、いまからとても楽しみです」と、世界が『よこがお』をどう評価するのか、期待が高まっている様子。公式上映には深田監督と筒井がそろって参加する予定だ。
出品決定とともに、本作の海外版ポスターと、深田監督が筒井を演出するメイキングカットも到着した。海外版のタイトルは“A GIRL MISSING”とされ、邦題に象徴される筒井の「横顔」を印象的に見せた仕上がりとなっている。また、公開翌日の7月27日(土)には東京で、28日(日)には大阪と名古屋で監督、キャスト登壇の舞台挨拶を行う予定だ。
深田監督のオリジナル脚本であり、誰にでも起こりうるかもしれない人生の不条理に、人はどう立ち向かうかを描く本作。すでに世界が注目する『よこがお』を、見逃さない手はないだろう!
文/編集部