『永遠の門』ジャパンプレミアが開催!シュナーベル監督がリリー・フランキーに「『万引き家族』はすばらしかった!」
美術史上最も重要かつ人気の高い画家の一人、フィンセント・ファン・ゴッホ。生前に一枚しか絵が売れなかったというゴッホが、絵を描くことに真摯に向き合う姿を描いた『永遠の門 ゴッホの見た未来』(11月8日公開)のジャパンプレミアが、9月26日に開催された。監督のジュリアン・シュナーベル、ゴッホを演じた名優ウィレム・デフォーが来日を果たした。
シュナーベル監督と言えば、『バスキア』(97)や『潜水服は蝶の夢を見る』(07)など、これまでも芸術家やそれに関係する人々を描いてきた。自身も画家という経歴を持つ監督、ゴッホの映画を作ったきっかけについて「ゴッホの映画はたくさんあったし、最初はゴッホの映画を撮るつもりはありませんでした」と驚きの発言。しかし、「ゴッホの作品は、描きたいことを純粋に描いた、妥協がまったくない、アートの本質だと感じました。そこで、アートを作るプロセスについて描きたいと思ったんです」。続けて、「これはゴッホの映画ではありません。皆さんがゴッホになる映画です」とゴッホの人生を描いたのではなく、アートそのものを描きたかったとのだと説明する。
一方、ゴッホを演じたデフォーは、監督から絵の手ほどきを受けたそう。「たくさん絵を描くシーンがあるのですが、それらを自分で描きました。長年の友人でもあるジュリアンに絵の描き方を教わったのですが、モノの見方が変わりましたね。モノの形状を見るのではなく、まず光を見るんです」と振り返る。「絵筆で“マーク”を一つずつ、印をキャンパスに置いていく感じでしょうか。そのマークを重ねていくことで、印同士が語り合い始めるんです。そこから自分の想像を超えた何かが生まれるのです。この経験が映画作りにおいて核になりました」と独創的な絵の描き方を明かしてくれた。
この日は、スペシャルゲストとして監督とデフォーの大ファンだというリリー・フランキーも登場。昨年のカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた『万引き家族』(18)を2人も観ていたようで、「『万引き家族』はすばらしかったですよ。次回作の予定はまだありませんが、ぜひリリーさんとご一緒したいですね」とシュナーベル監督が語りかけ、リリーが「僕のことはいいですから」と照れ笑うなど、和やかなムードでジャパンプレミアは締めくくられた。
取材・文/トライワークス