バスキア、クーンズ、バンクシー…なにかと話題なアートの“値段”は誰が決める?
最近では、展示内容を巡って物議を醸した「あいちトリエンナーレ」の一件など、アートとは観る人によって、その意味も価値も変わってくるものだろう。そんなアートの価値だが、作品に付く値段という一つの指標が設けられているのも事実。そんな側面に迫っていくのが現在公開されている『アートのお値段』だ。
バンクシーの有名な作品「風船と少女」が1億5000万円で落札された瞬間にシュレッダーで裁断されたり、ジェフ・クーンズのステンレス製のウサギの彫刻が存命のアーティスト史上最高額の100億円で落札されたり…と、とんでもない高額な値段で取引される作品たち。日本でも日々、落札のニュースが取り上げられているため、耳にする機会も多いはず。
もはや投資の対象となりバブルに沸いているアート作品たちは、いったい誰が何のために買っているのか?どのように値段がつけられているのか?そもそもアートの価値とは何なのか?…本作はそんな疑問を、アーティスト、批評家、オークション関係者、コレクターなどアート界隈の重要人物へのインタビュー、アトリエでの制作過程、実際のオークションの様子などを通し、ひも解いていく。
加えて、ジェフ・クーンズの「ラビット」のほか、ZOZO社長の前澤友作が所有しているジャン=ミシェル・バスキアの「Untitled」が落札される瞬間、ゲルハルト・リヒター、マウリツィオ・カテランや、アンディ・ウォーホール、デミアン・ハースト、ウーゴ・ロンディノーネ、村上隆といった作家たちの200点近い近現代美術の作品たちも登場し、見どころも満載となっている。
傑作を目で楽しみながら、その価値とは何なのかを考えさせられる本作。アートがなにかと話題のいまだからこそ、観ておきたい作品だ。
文/トライワークス
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