新作『マトリックス4』について徐々に明らかに!内容にまつわる様々な”仮説”も浮上?
1999年公開の映画『マトリックス』から始まった人気シリーズの新作映画の詳細が、徐々に明らかになっている。今年の8月にワーナー・ブラザースは、シリーズ3作を手掛けたラナ・ウォシャウスキーが監督、脚本&製作総指揮をする新作の製作を発表。さらには主人公のネオを演じたキアヌ・リーヴスと、トリニティ役のキャリー=アン・モスも同役で続投すると発表し、ファンは大喜びした。シリーズ2作目の『マトリックス リローデッド』(03)と、3作目の『マトリックス レボリューションズ』(03)でナイオビ役を演じた、ジェイダ・ピンケット=スミスも、現在同役で出演交渉中だそうだ。
新キャストとしては、『アクアマン』(18)のヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ドラマ「ママと恋に落ちるまで」のニール・パトリック・ハリス、Netflixドラマ「Marvel アイアン・フィスト」で知られる女優のジェシカ・ヘンウィックの出演が決定している。現時点で新キャストの役柄の詳細は明らかではないが、ウォシャウスキー監督は同作でストーリーの軸となる“女性版ネオ”を探していると言われており、ヘンウィックがキアヌに引き継ぐ救世主役に抜擢されたのではないかとも噂されている。
モーフィアス役を演じたローレンス・フィッシュバーンが再び出演するかどうかは、未だ発表されていない。
製作発表の際、ラナ・ウォシャウスキー監督は「20年前にリリー(ウォシャウスキー)と探求した、我々の“現実”にまつわるアイデアは、現代になってより一層、時代に沿う題材になりました。再び原作の登場人物を蘇らせて、優れた才能のある友人たちと仕事ができて光栄です」とだけコメントしている。
『マトリックス』は公開された当時、現実の真偽を題材にしたことで、実体二元論や組織社会の陰謀論を観客に問いかける、画期的な哲学作として讃えられた。第1作目から20年たった現代においても、これらのテーマに観客が共鳴することは間違いない。当時は斬新だったコンピュータと人類の意識の交差というコンセプトも、現代ではウォシャウスキー監督が創造する世界をより高度なビジュアルで描けるテクノロジーが揃っている。
オリジナルキャストが出演するという発表を受け、ファンの間では未だベールに包まれた、新作の内容にまつわる様々な”仮説”が浮上している。ネオもトリニティも、過去作のストーリー中で既に「死滅」したことになっているのだが、撃たれても復活する能力があるネオを劇中で復活させる方法は、複数あるだろう。シリーズ過去3作では、ネオの肉体に生きた脳がないと、バーチャル・リアリティーには行けない設定になっているが、本作ではマトリックスのコンピュータの記憶階層に保存されていたネオの「意識」が蘇り、映画『ジェミニマン』(公開中)のウィル・スミスのように、キアヌ・リーヴスをCGで若返らせて、7人目の救世主として登場させることも考えられる。
脚本は、ウォシャウスキー監督に加えて、『クラウド アトラス』(12)の原作者デヴィッド・ミッチェルと、小説「ノーホエア・マン」で知られる、作家のアレクサンダル・ヘモンが共同執筆する予定。新作も内容の濃いストーリーが期待できそうだ。「マトリックス4(仮題)」の公開日は正式に発表されていないが、 来年シカゴで撮影が開始される予定。
LA在住/小池かおる