松尾スズキが前代未聞の“女の海”シーンの舞台裏を告白!「腰痛が治っちゃいました」
宮藤官九郎や阿部サダヲといった個性派メンバーを多数輩出する劇団「大人計画」の主宰・松尾スズキが、監督・脚本・主演の3役を務めた長編監督映画4作目『108〜海馬五郎の復讐と冒険〜』(公開中)の公開記念舞台挨拶が26日、TOHOシネマズ日比谷にて開催。松尾を筆頭に、中山美穂、秋山菜津子、岩井秀人、坂井真紀、栗原類、LiLiCoが登壇した。
本作は愛する妻、綾子の浮気をSNSで知った脚本家の海馬五郎が、離婚した場合に支払わなければならなくなる資産の半分である1000万円を使い果たすために、綾子のSNS投稿についた「いいね!」の数だけ女を抱いて復讐を果たそうと計画するR18コメディ。タイムリミットまでの1ヶ月間に、人智の及ぶあらゆる手を使って資産を減らしていく海馬だったが、108人への道のりは果てしなく遠い。追い込まれた末に、彼はある方法で目標をクリアしようとするのだが…。
この日は舞台挨拶のために、TOHOシネマズ日比谷の一般スクリーンでは最大のTCXスクリーンで上映。「こんなに大きな映画館でやる映画なんでしょうかね?戸惑いを禁じえませんが非常にうれしく思います」と広々とした場内を見渡しながら挨拶した松尾は「思いついたのは5年前。それから紆余曲折を経ていろんな人を巻き込み、ゴージャスなキャストとスタッフにも恵まれ、日本にはあまりないブラックジョークのドタバタコメディを作れました」と、キャスト陣に感謝を述べる。
そして妻・綾子を振り切った演技で演じきった中山について「現場入りの初日からシナリオに惚れ込んでくれてるっていうことが伝わってきました。さすが芸能の世界で何10年もやってきたプロだと感心しております」と太鼓判。それを受けて中山は「おそれ多いです…」と小さく呟いた。
そんな中山、劇中では「ほとんど松尾さんと“ドクタースネイク”の人しか共演していないので、(完成した作品を観たら)知らないシーンがいっぱい。純粋に楽しんじゃいました」と感想を語り、自身と松尾の共演シーンは「ゲラゲラ笑った」と楽しげにコメント。そして劇中の見せ場のひとつである50人の男女が入り混じる“女の海”のシーンについては「どうやって撮るのか全然想像できなかった」と振り返る。
それを皮切りに“女の海”についての話題で盛り上がる一同。松尾は「監督をしながら“女の海”に入ってるので、1回濡れると取ることができない。なのでぬるぬるのプールからモニターを覗いて、またぬるぬるに戻っていました」と撮影の様子を明かすと「バスタオルをかけてる時は監督ということでやってました(笑)。体幹が鍛えられたのか、腰痛が治っちゃいました」というまさかのエピソードも告白。
最後にマイクをとった松尾は「1年前に撮った映画ですが、ここにキャストが集結してくれて嬉しいです」と、改めてキャストやスタッフ、観客に感謝を述べると「ご覧のように内向的な男です。笑いを職業にしようとして30年が過ぎ、ようやく人前で歌って踊れてセックスシーンが演じられる男になりました。もし身近に17歳の人がいたら、早く18歳になるように伝えてください」と茶目っ気たっぷりに呼びかけ、会場の笑いを誘っていた。
取材・文/久保田 和馬