『魔女見習いをさがして』主人公は「おジャ魔女どれみ」シリーズを観ていた3人!
開催中の第32回東京国際映画祭で10月29日、テレビアニメ「おジャ魔女どれみ」シリーズの放送20周年を記念して作られる劇場版最新作『魔女見習いをさがして』のスペシャルトークイベントが開催され、プロデューサーの関弘美、監督の佐藤順一、鎌谷悠、脚本の栗山緑、キャラクターデザインと総作画監督の馬越嘉彦が登壇。公開が2020年5月15日(金)公開となることと共に、主人公が27歳の会社員の吉月ミレ、22歳の大学生の長瀬ソラ、20歳でフリーターの川谷レイカとなることが発表された。
「おジャ魔女どれみ」は、1999年から2002年までの4年間にわたり放送された人気シリーズ。主人公の春風どれみが、魔女見習いの仲間たちと共に成長していく姿を描き、困難を乗り越えていくおジャ魔女たちの姿が当時の子どもたちの共感を呼んだ。シリーズの原点に戻って企画された『魔女見習いをさがして』には、放送開始当時のスタッフが再集結。新しく参加した鎌谷監督は「主人公の3人は別の場所で生まれ育った。彼女たちの共通点は『おジャ魔女どれみ』のシリーズを子どものころに観ていたこと」と話すように、シリーズを観ていた子供たちが大人になったいま、身近な存在と思える3人が映画の主人公となる。それぞれが人生に迷うなか「(シリーズの作中に登場する)MAHO堂のモデルになった建物があるらしい」と聞いた3人がその建物を訪れ、出会いを果たすところから物語が始まる。
関プロデューサーは「シリーズを4年間やっていたので、当時3〜8歳の子たちが観ていたと思うと、登場人物もその世代に合わせたほうがいいと思った」と説明。それぞれのキャラクターに話が及ぶと、栗山は「ミレさんは一流商社に勤めていますが、夢が少しずつ薄れてしまった。夢を探しに来た感じ」、馬越は「3人に年齢差がある。絵的なことだけで言わせていただくと、ミレは“おんぷ”と“あいこ”をミックスした感じ」とシリーズのキャラクターをイメージしたことを告白した。
さらにソラについて栗山は「大学4年生。教師志望だけれど、挫折してしまう」、馬越は「雰囲気は“どれみ”のイメージです」。レイカについて栗山は「尾道出身で男運が悪い」、馬越は「“はづき”と“ももこ”の合体のイメージ」とそれぞれ解説した。
絵コンテが披露されるとファンが集まった会場からは笑い声が上がるひと幕もあり、鎌谷監督は「どれみらしいテイストを大切にしたいなと思いながらやっていました」とニッコリ。関プロデューサーは「『おジャ魔女どれみ』は昔もそうですが、強いヒロインに変身して悪者をやっつけるアクションシーンなどはない。ヒーロー、ヒロインは相変わらず出てきませんが、昔の視聴者も含めて元気がもらえるような仕上がりになる」とアピールしていた。
取材・文/成田 おり枝