忘れないで…『T2』以降無かったことにされた『ターミネーター』の“続編”たち
シリーズ最高傑作とされる『ターミネーター2』(91)の“正統な”続編として作られた『ターミネーター:ニュー・フェイト』(公開中)。リンダ・ハミルトンやエドワード・ファーロングといったオリジナルキャストが28年ぶりにカムバックするなど、大きな話題を集めている。
その一方で、無かったことにされてしまった作品たちが存在する…。なんだか評価的にもパッとしなかったため存在感も薄く、リンダからは「記憶に残らないもの」と一刀両断されてしまった、そんなかわいそうな“続編”たちを、あえてここでは紹介していきたい。
創造主キャメロンに見放された不遇の子『ターミネーター3』(03)
『ターミネーター2』の時点で物語が終わったと実感していたため、続編を作るつもりなどさらさらなかった、シリーズの生みの親ジェームズ・キャメロン。作品の権利も保有していなかったため製作に名を連ねることもなく、批判的なスタンスを取っていたのが『ターミネーター3』だ。続く『4』ではキャメロンがマックG監督に非公式にアドバイスを送り、『新起動/ジェニシス』を褒めていたことも考えると、『3』は最も不遇な作品と言えるだろう。
T-1000との死闘から10年後、スカイネットが人類に反乱を起こして核戦争が起こるという1997年8月29日の“審判の日”は無事に過ぎ去った。しかしジョン・コナーは再びターミネーターが現れるのではと怯える日々を送り、その不安が的中。ジョンの前に2体のターミネーターが現れ、“審判の日”が延期されたにすぎないという衝撃の事実が突きつけられる…という物語になっている。
コンパクトで潔いストーリーで、『2』の以上の製作費を投じたド迫力のカーチェイスシーン、女性型ターミネーターT-X、随所に散りばめられたユーモアなど見どころも多い本作だが、「B級っぽい」といった声やファーロングの華やかさが皆無なニック・スタールのキャスティングへの不評など、どこか見下されがち…。中でも最も波乱を呼んだのが衝撃のラスト。どのような終わり方になっているのかは、自分の目でぜひ確かめてみてほしい。
シュワちゃんが出演していない!『ターミネーター4』(09)
その後の『ターミネーター4』は、これまで断片的にしか描かれてこなかった“審判の日”によって荒廃した地球を舞台に、人類と機械軍との戦争を全面的に描いた新たなテイストの作品。また本作は、カリフォルニア州知事を務めていたためシュワルツェネッガーが、シリーズで唯一出演していないという点でも異色作。彼に憧れてほぼ瓜二つの体を持つボディビルダー、ローランド・キッキンガーの体にシュワルツェネッガーの顔を合成するという手法が取られた。
あらすじは以下の通り。“審判の日”以後の荒廃した世界では、スカイネット率いる機械軍が人類を殲滅すべく、最後の総攻撃を仕掛けようとしていた。レジスタンスのリーダーとなったジョンは、機械軍が人間を生け捕りにしては生体細胞を複製し、T-800の開発に着手していること、そしてスカイネットが秘密裏に遂行しようとしている「暗殺リスト」に自分の名前と父であるカイル・リースの名前があることに気づき…。
公開前に次なる『5』の製作が発表され、3部作構想となる予定だった本作。しかし興行的にあまり振るわなかったため、製作会社が倒産してしまい、続編の話は立ち消えに…という残念な末路を歩むことになった作品だ。