『シャイニング』完結!『ドクター・スリープ』を観る前に知っておきたい9つのこと
いよいよ公開を迎えるスティーヴン・キング原作の『ドクター・スリープ』(11月29日公開)。 “特別な力”を持つ男と少女が連続児童失踪事件の謎に挑む本作は、呪われたホテルの惨劇を描いた巨匠スタンリー・キューブリックの傑作『シャイニング』(80)の40年後を舞台にした衝撃の完結編。かつて惨劇を生き延びた少年は、なぜ再びホテルに戻るのか?そこで彼を待ち受けているものは?40年の時を結ぶ本作を観る前に、知っておきたい9つのキーワードを紹介。これさえ読めば、『ドクター・スリープ』をより深く楽しめる!
1.スティーヴン・キング
本作の原作者で、世界的ベストセラー作家。「キャリー」「スタンド・バイ・ミー」「IT」など多くの作品が映像化されている。シリーズ作以外は続編を書かないキングが唯一手掛けたのが、「シャイニング」の続編「ドクター・スリープ」。それだけ思い入れの強い作品なのだ。
2.特別な力=“シャイニング”
ダニーら一部の人たちが持つ超能力。未来を予知したり、言葉を交わさずに会話したり、物体を触れずに動かしたりできるなど、人によって能力や程度に違いがある。近親者に力を持つ者がいる場合もあるが、ほとんどは突発的に発現する。
3.40年後
物語の舞台は『シャイニング』の40年後。死んだ父ジャックと同年代になったダニーは、特別な力がもたらすストレスから逃れるようにドラッグや酒に溺れ、時に暴力で問題を解決するなど、父と同じタイプの人間になっていた。
4.呪われたホテル
コロラド州ロッキーの山間に建てられた、由緒ある名門オーバールック・ホテル。いつからかこの建物には邪悪な力が宿り、館内には死者たちの霊魂がうごめいている。ダニーと家族の惨劇のあと閉鎖され、いまは廃屋となっている。
5.連続児童失踪事件
ダニーの周囲では、児童ばかりをターゲットにした不可解な失踪事件が相次いで発生。ある日、その事件の現場を“目撃した”という謎の少女アブラが、ダニーの前に現れる。実は、彼女も“特別な力”の持ち主だった。事件を引き起こしているのは、“真の絆(トゥルー・ノット)″と呼ばれるカルト集団のようだが、その目的とはいったい何なのか…?
6.ダニー
幼いころから予知能力などの特別な力を発揮し、両親から“先生(ドク)”のあだ名で呼ばれていた。トニーという別人格を通して能力を発揮していたが、オーバールック・ホテルで同じ力を持つディック・ハロランと出会い、力の使い方を学んでいく。父親に殺されかけるというトラウマを負った彼は、忌まわしい記憶や特別な力から逃避すべく、大人になったいまは荒んだ暮らしをしている。
7.“REDRUM”
かつてオーバールック・ホテルを訪れたダニーの脳裏に浮かんだ意味深なワード。これは、逆から読むと“MURDER(殺人者)”になり、殺人鬼と化す父ジャックの未来を予測していたようだ。今作でダニーは、どうのように“REDRUM”の啓示を受けるのだろうか?
8.双子の少女
1970年の冬、オーバールック・ホテルで管理人をしていたグレイディは、妻と2人の娘を斧で殺害した後、銃で自殺した。ホテル内を三輪車で走っていたダニーは、現場となった廊下で姉妹に遭遇。一緒に遊ぼうと声をかけられる。そして40年後、彼女たちはまだホテルにいた…。
9.血のエレベーター
エレベーターから流れ出た大量の血液が、濁流となって廊下を覆ってゆく…。ダニーが目撃するオーバールック・ホテルの恐怖のビジョンは、“双子の少女”と共に『シャイニング』を象徴するアイコンとなった。40年後、そのビジョンを目にするのは誰なのか?
文/神武団四郎