三枚目キャラに挑戦!成田凌、初主演作『カツベン!』で魅せた新境地<写真17点>
12月13日(金)より公開される周防正行監督最新作『カツベン!』で、初主演を果たした成田凌。モデルとして活躍しながら数多くの映画やテレビドラマに出演し、長身で端世な顔立ちを武器に二枚目ぶりをいかんなく発揮してきた。しかし『カツベン!』では、これまでにない三枚目の役を演じていることで注目を集めている。そんな新境地を切り開いた俳優・成田凌の魅力に迫りたい。
モデル&俳優の二刀流!確かな演技力で新人俳優賞にも輝く
2013年からファッション雑誌「MEN'S NON-NO」の専属モデルとして活動を始めた成田は、2014年にテレビドラマで俳優デビュー。2016年にNHK BSプレミアム放送の「ふれなばおちん」でアラフォー女性と恋に落ちる役を演じ、役者としても注目されるように。映画では音楽グループ「GReeeeN」のメンバーを演じた『キセキ −あの日のソビト−』(17)など、毎年のように話題作に出演している。
その演技力は確かで、『スマホを落としただけなのに』(18)と『ビブリア古書堂の事件手帖』(18)での演技が評価され、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、大ヒット作『君の名は。』(16)など声優としても活躍している。俳優としての成田は、さわやかな青年や二枚目を演じることが多く、その少し幼さが残る笑顔に魅力を感じるファンも多いことだろう。
『カツベン!』の三枚目役で成田凌が躍動!
そんな成田凌が『カツベン!』では、ちょっと違う一面を見せている。本作で彼は、子どもの頃から活動弁士に憧れる染谷俊太郎を演じているが、初主演とは思えない生き生きとした演技が光る。主演を務めるにあたり成田はインタビューで、「周防監督作品なので大船に乗った気持ちです。心から周防監督のことを信頼しています」とコメント。この意気込みがスクリーンで観る我々の目にも伝わってくるのだ。
前述の通り、本作では二枚目とはほど遠い役を演じている。黒島結菜が演じる初恋の女性・梅子にビンタをされた時の情けない表情が笑えるし、ニセ弁士として泥棒に協力をするなど周防監督作品らしいドタバタシーンで披露するおどけた表情は、これまで見たことがない成田の姿ではないだろうか。それだけでなく活動弁士として実演するところも大きな見どころで、このためにボイストレーニングを行ったという成田の美声を、ぜひじっくりと聞いてほしい。
活動弁士の実演シーンや劇中の無声映画にも注目
『カツベン!』で描かれるのは、まだ映画に音が無かった時代。映像に合わせて人物のセリフを言ったり説明をしたりするのが活動弁士だ。最初はニセ弁士として活動していた俊太郎(成田)が本物の活動弁士として成長していく姿がおもしろおかしく、時にシビアに表現されている。また成田だけでなく高良健吾、永瀬正敏が人気活動弁士として実演するシーンもしっかりと描かれていて、当時、俳優よりも人気があったという弁士たちそれぞれの持ち味を堪能することができる。
そして劇中で登場する無声映画も、周防監督が新たに撮影した完全オリジナル作品だというから驚きだ。草刈民代、シャーロット・ケイト・フォックス、城田優、上白石萌音が白黒のレトロなスクリーンに登場することで、この作品をさらに彩っている。
成田凌が魅せる新たな一面と共に、無声映画や活動弁士の活躍に惹きつけられる『カツベン!』。成田演じる俊太郎は夢を叶えることができるのか?そして、彼の恋の行方は…?その結末をスクリーンで確かめよう!
文/咲田真菜