深田恭子の一言に宮迫ショック! 『豆富小僧』初日舞台挨拶
ファンタジーアニメーション映画『豆富小僧』が4月29日、公開初日を迎え、主人公の声を務めた深田恭子をはじめ、武田鉄矢、小池徹平、宮迫博之、平野綾、はるな愛ら声優キャスト陣が監督の河原真明、総監督の杉井ギサブローと共に舞台挨拶を行った。
盆に豆腐を乗せて立っているだけの妖怪・豆富小僧は、妖怪なのに人を驚かすことができず、父親や妖怪たちからも馬鹿にされ、慰めてくれるのは目付け役の達磨(武田鉄矢)だけ。達磨と共に消えたおっかさんを探すため、豆富小僧は旅に出るが、ひょんなことから、200年後の現代世界にやって来てしまう。
主人公の豆富小僧の声を務めた深田恭子は、「私は『豆富小僧』が大好きなので、作品を見てくれた皆さんが少しでも癒されたら幸いです」と挨拶。そんな深田に、イベントの司会を務めるアナウンサーの佐野瑞樹が「妖怪らしさを見せる時、その辺のボイスの調子は考えられましたか?」と質問すると、深田の隣りにいた武田鉄矢が「あなた、日本語がおかしいですね」と“金八先生”のような指摘。宮迫博之からも「ニューヨークが長かったからね。だいぶ下手になったね」と突っ込まれ、佐野アナウンサーも苦笑い。その様子に微笑む深田は「音のない世界に作品世界のイメージをつかんで演技するという声の仕事は、本当に難しいと思いました」と声優の仕事での苦労を語った。
博識な達磨を演じた武田鉄矢は、「豆富小僧は愛すべきキャラクターで、こういう妖怪が日本にたくさんいると日本はもっと良い国になる気がする。闇の中に楽しい妖怪がいるという物語が、日本の風土の中から生まれることを願っています」とコメント。本作が世界29ヶ国での上映が決定したことを受け、「豆富小僧はどこに出しても恥ずかしくない。きっと日本のために国際社会でも大活躍してくれると思う」と太鼓判を押した。
小池徹平は袖引き小僧の声を担当し、「声優はあまり経験がなく緊張しました。袖引き小僧は見た目が小さくて可愛いけど、性格は少しひねくれていて、人間的な部分を持っているので楽しく演じることができました」とコメント。悪者・芝居者狸を演じた宮迫博之は、「声の仕事をいただくと、悪役の親玉が多い。僕のイメージが悪いからなのか。なのでこれといって役作りもしませんでした。さっき恭子ちゃんから『見た目が似てます』と言われてしまいました」とショックを受けた様子。深田から「ちょっと極悪な感じが似ている」と言われると、宮迫は「ただの悪口ですのでやめてください(笑)」と会場を盛り上げた。八百八狸の702番という妖怪を演じたはるな愛は、「演じたキャラクターが男の子か女の子かわからなかったのですが、監督からそのままで良いと言われました。あとで映像を見たら、男の子のシンボルちゃんが付いていたので、キュンとなっちゃいました」と話した。宮迫から「前半は酒焼けの声になっている」と言われ、すかさず「絶好調でしたよ!」と声を上げて否定していた。
京極夏彦の小説「豆腐小僧双六道中ふりだし」を映画化した本作。劇中にはユニークな妖怪が多数登場する。豆富小僧が現代で出会う人間の少女・アイを演じた平野綾は、「妖怪はおどろおどろしいイメージですが、この映画に出てくる妖怪はみんな可愛い妖怪ばかり。実際にこういう妖怪がいたら楽しいだろうなと思いました。また3D作品なので2Dとは違うお芝居をしたつもりです」とプロの声優ならではの工夫を明かした。
監督を務めた河原真明は「ここ2、3年は豆富小僧中心の生活だったので、今日を迎えられて嬉しいです」と話し、総監督を務めた杉井ギサブローは、「普段、僕は2Dをやっていて、今回は河原監督とタッグを組んで3Dに挑戦しました。キャラクターは半人前ですが、役者さんのおかげで2Dとはまた違う生き生きとした感じがある作品に仕上がった」と作品のできに満足したようだった。
最後に深田は、「豆富小僧は、今自分にできることは何なのか、自分にしかできないことは何なのかを考え、勇気ある行動に出る。この作品が何か一歩を踏み出すきっかけになると良いなと思います」と作品をアピールした。連休は家族で劇場に出かけ、豆富小僧の夢と勇気にあふれた冒険を楽しんでほしい。【取材・文/鈴木菜保美】