『阪急電車』初日舞台挨拶で、中谷美紀が震災思って涙「失敗しても傷ついても、きっと立ち上がれる」

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『阪急電車』初日舞台挨拶で、中谷美紀が震災思って涙「失敗しても傷ついても、きっと立ち上がれる」

片道15分のローカル線で起きる小さな奇跡の物語『阪急電車 片道15分の奇跡』(公開中)の初日舞台挨拶が4月29日、TOHOシネマズ日劇で行われ、出演者の中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子、南果歩、谷村美月、有村架純、芦田愛菜と、三宅喜重監督が登壇した。

挨拶冒頭、中谷は「今、日本中が震災の動乱で疲弊しているかと思いますが、日本中に温かい思いを届けたいとただただ願っています。この作品は、失敗しても傷ついても、きっと立ち上がれる。自分の人生を肯定したくなるような作品に仕上がっています」と言葉を詰まらせながら話し、涙を見せた。本作が監督デビューとなった三宅監督は「皆さんを前にすると、映画というのは観客の方に見ていただいて、初めて『完成したんだな』とつくづく思います」と感慨深げ。

自身の地元・神戸が本作の舞台となった戸田は「(映画を通して)全国の方たちにもっともっと阪急電車を知ってもらえるきっかけとなるこの作品に携わることができて、光栄で嬉しく思います」と、出演の喜びを語った。兵庫県出身の有村は、「阪急電車は居心地の良い電車なので、関西に来られる機会がある方は、その気分を味わってもらえたら良いな」と、阪急電車をアピール。劇場に詰めかけた観客のあふれんばかりの笑顔を前に宮本は、「皆さんの雰囲気が温かくて、この映画を祝福してくださっている、そんなふうに私は感じました」と感謝を述べた。開口一番「阪急電車に乗ったら春が来た!」と、元気に話し出した南は、「そうなるような映画だと思っています。電車は色々なものをつなげてくれると思います。ようやく、東北新幹線も全線再開され、東北と私たちもつながっていくんだと思います」と、電車が持つ、つながりの力を伝えた。

なかなか都会風のオシャレな大学になじめない内気な地方出身の大学生・美帆を演じた谷村は、「(美帆は)自分が今まで演じた役のなかで、一番理解できる女の子。(この役については)自分が一番理解できると、何かわからない自信があったことも初めてでした」と女優として、この役柄に巡り合えた喜びを話した。宮本演じる時江の孫娘・亜美を演じた芦田が「今日はこんなにたくさんの方に見に来ていただいて、とても嬉しいです」と話すと、6歳とは思えないそのしっかりさに会場からは驚きが。続けて、芦田は自身の役柄について「亜美ちゃんはとても元気な女の子で、私に似ていて演じやすかったです。関西弁のお芝居は楽しかったです」と紹介した。

この春、新たにスタートしたことや一歩踏み出したことを問われ、昨年、スキューバダイビングのライセンス資格を取ったという戸田は、「今年の春にできるかわかりませんが、石垣や宮古島の方に行って、海に潜りたい」と目を輝かせた。小学校に入学した芦田は「1年生になったので、朝、一人で目覚まし時計で起きることです」と決意し、「小学校は楽しいです! 国語と図工が好き」と、忙しいなかでも新生活を満喫しているようだ。

本作を一言でたとえ、中谷は「祈りです。今回、私たちは(撮影中)お昼ご飯抜きだったんです。エキストラの方々もお昼ご飯抜きで頑張ってくださって、できあがった作品が笑顔をお届けできたら良いなという祈りを込めました」と答え、小さな大女優・芦田は「出会いです。ここにいる大先輩の女優さんたちと一緒にお仕事できて嬉しいです」と話すと、会場からは笑いが起こった。

4月23日より関西で先行上映された本作は、32スクリーンの限定公開ながら、初日2日間で動員数4万4166人、興行収入5815万4800円を上げ、全国の興行成績ランキングで7位にランクインし、好スタートを切った。様々な事情を抱えた人々が電車で出会い、奇跡的な物語を繰り広げる本作。勇気を持って踏み出せば、いつもとは全く違う景色が、人生が、そして素敵な出会いが“あなた”を待ってくれている。【Movie Walker】

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