Mr.Childrenが「映画ドラえもん」シリーズ初のW主題歌を手掛ける!楽曲使用の本編映像も到着
<スタッフ コメント>
●桜井和寿(Mr.Children)
「ハッキリと覚えている。小学4年生のとき、両親が僕にドラえもんを買ってきてくれた。家に帰り、自分の部屋のベットに寝転ぶと、頭上にある小さな棚に1巻から5巻がきれいに並んで置かれていた。そしてそれを僕は複雑な思いで受け取った。なぜなら、当時僕は勉強をまったくしない子どもだった。宿題なんかしたことがない。漢字も書けなければ、読書もしたことがなかった。当然、通知表に刻まれる数字は体育以外は1と2で埋まった。それを見かねた両親はきっと“しっかり勉強しなさい”そう言いたかっただろう。でも、そう言ったところで、素直に勉強するはずがないことをわかっていて、“宿題しなさい”でも、“読書しなさい”でもなく、“まずはここからはじめましょうね。はい、ドラえもん”そんな気持ちで買ってきたのだろう。そして、その複雑な親の心情を子どもながらにキャッチした僕は、逃げ場をなくした気持ちになって、しばらく読みも開きもせず、並んだ背表紙の1から5の数字を眺めていた。警戒心の強い猫にオモチャを与えたときのそれのように、僕は3日後くらいにドラえもんを恐る恐る開き、その後、我を忘れ夢中で読みふけった。僕にとってはじめての読書。はじめて好きになった本。はじめて感動で泣いた本。それ以来、背表紙の数字は増えていき、棚に入りきらないくらいのドラえもんが並んだ。中2の夏に音楽と出会うまで。本当はその後も、僕の人格形成に関わるドラえもんとのエピソードがあるのですが、長くなるのでこの辺でやめておきます。ドラえもん50周年、そして僕も50歳となる年に、運命の再会ができたことに心から感謝です。のび太にとってのドラえもんのように、“ドラえもんという存在が、ストーリーが、プロジェクトそのもの”が、弱く情けない自分に寄り添ってくれているのだと、改めて噛み締めながら、音楽でドラえもんに携わらせてもらいました。絶対観てくださいね。聴いてくださいね」
●川北桃子プロデューサー
「実は、はじめての主題歌打ち合わせの際に、桜井さんは早くもデモを用意してくださっていました。桜井さんの歌声とギターが響くその音源を聞き、すでにこの作品のテーマを丁寧に、しっかりと受け止めてくださっているその内容に、今井監督、川村元気さんをはじめ、私たちプロデューサーも非常に感激したことを鮮明に覚えています。そんな雰囲気のなかで、もう1曲、違うアプローチの曲も考えてみようというアイデアから生まれたのがW主題歌です。最初のデモがどちらの曲だったのかは、いまはみなさまの想像にお任せし、劇中での『Birthday』と『君と重ねたモノローグ』、2曲のドラマティックな展開にご期待いただければと思います」
文/編集部