樹木希林、孫・内田伽羅と『奇跡』で共演!

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樹木希林、孫・内田伽羅と『奇跡』で共演!

離れて暮らす家族の絆を取り戻すため、ふたりの少年が奇跡を起こす『奇跡』(6月4日九州先行公開、6月11日全国公開)の完成披露試写会が5月5日、有楽町朝日ホールで行われ、出演者の前田航基、前田旺志郎、オダギリジョー、樹木希林、阿部寛、内田伽羅、林凌雅と、是枝裕和監督が登壇した。

映画初出演にして、主演を務めたまえだまえだは「初映画で初主演と聞いて(自分自身)大丈夫かなと思ったけど、みんな優しくしてくださって、監督との仕事は楽しかったです」(旺志郎)、「ここに立っていること自体が奇跡かな」(航基)と笑顔を見せた。同じく、映画初出演となった内田は樹木の孫。今回の共演に「この脚本をもらった際、子供をオーディションしていると聞き、是枝さんの作品に出るのはとても良い思い出、経験になると思ったので、薦めました。親は渋っていましたけどね。福岡でオーディションだっていうから、電車を乗り継いで羽田まで送って、旅費が出ないんで、初めて一人で飛行機に乗せました」と、孫の成長に目を細めた。そんな子供たちへの演技指導を是枝監督は、「子供は撮っていて、とても楽しい部分と難しい部分があるんですが、今回オーディションで出会って、個性を知って、一人一人に合ったような演出をして、一緒にバーベキューをしたりとお互いを色々な形で知っていきました。作る前の過程も含め、本当に楽しい作品でした」と振り返った。

まえだまえだの父親役を演じたオダギリジョーの印象を、旺志郎は「あまり話さない(人だ)と思ってたのに、色々話してくれて楽しかったです」と語り、豪華俳優陣との共演に航基は、「あまりにすごいメンバーなので、とても緊張しました。樹木さんとは役柄上、祖母と孫というあまり上下関係がない役だったので、普段の関係から、演技上で上下関係をなくすというのが難しかったです」と、苦労を明かした。

そんなふたりを、オダギリは「父親役の僕が足を引っ張らないようにしないとなと思いました。飲み込みが早くてすごかったです」と感心。航基の祖母役を演じた樹木は「何の私語もしてくれなくて、『おはようございます』の挨拶ぐらいでしたね」と寂しそうな表情をのぞかせ、本作について「見ていただければわかると思うのですが、震災でばらばらになっている家族を見て、壊れそうな家庭を持つ人にあんなに大変な人もいるのにと言うと、自分たちの問題とは別と。こういう問題は終わらないんだなと思いました」と、しみじみ語った。航基らの先生役の阿部は「子供の笑顔にはパワーがあるといいますが、一日だけのこの撮影で子供たちからたくさんのパワーをもらいました」と子供の持つパワーを感じたそうだ。子役と共演し、「しっかりしていても、やはり子供だなあ」と思った瞬間を問われ、「待ち時間に本当に寝てしまう」(樹木)、「待ち時間のテンションの高さ。ずっと飛び回っているところ」(オダギリ)、「食べ物を差し入れしたら、楽屋まで飛んでお礼を言いにきたところ。ものすごい勢いでした!」(阿部)とコメントし、思い出話に花を咲かせた。

まえだまえだの主役起用の理由を是枝監督は「(ふたりが)オーディションが終わって部屋を出た後に、元気になっていることに気がついて、お笑いをやっているとかいうことだけでなく、彼らの持っているポジティブなエネルギーは、2時間の映画を引っ張っていってくれるだけの力があるなと思い、彼らにお願いしました」と話し、「この数ヶ月間にあったことを考えてみると、僕の中でも作った時とはまた違った意味を持ってきていますが、この作品の持っているポジティブに生きていくことの大切さを受けとっていただけたら嬉しいです」とメッセージを送った。【Movie Walker】

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