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第一次世界大戦の記録映像を徹底的に復元!映画『彼らは生きていた』の途方もない作業プロセスとは?

コラム

第一次世界大戦の記録映像を徹底的に復元!映画『彼らは生きていた』の途方もない作業プロセスとは?

訛りを話せる俳優を使い、当時の音声を徹底再現!

訛りを話せる俳優を使ってセリフを再現し、収録している
訛りを話せる俳優を使ってセリフを再現し、収録している[c] 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

やっとの思いで復元された本作の映像だが、ここからさらに音声が加えられている。当時のカメラは録音ができなかったため、本作ではBBCに保管されていた戦争後に収録された600時間に及ぶ退役軍人たちのインタビュー用いて、ナレーションとして映像に合わせられた。

フレームのレートを変えるなど、とんでもない手間がかかっている
フレームのレートを変えるなど、とんでもない手間がかかっている[c] 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

さらに、読唇術のプロの協力により、フィルムで兵士が何を話しているのを鑑定。その兵士と同じ出身地の役者を起用し、特徴的な訛りまでも再現したセリフを新たに収録している。風や馬の蹄などの効果音と共に当時の“音”を限りなくリアルに再現しているのだ。

果てしない道程を経て出来上がった映像は、戦争の中で確かに“彼ら”が生きていたのだと観客に実感させると同時に、本物の戦争の恐怖も突きつけてくる。戦争の恐ろしさを風化させないため、ジャクソンをはじめとする、数多の人々の執念とも呼ぶべき努力によって完成された本作を、ぜひ劇場で鑑賞・体感してほしい。

文/トライワークス

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