「マジンガーZ」や「ガンダム」の基地はHow much?アニメの建造物作りを本気でシミュレーションする人たちがいた!
「もしも、あのアニメに登場する建物を実際に作るとしたら…」という妄想を抱いたことがある人は、きっと少なくないはず。そんな、荒唐無稽に思える妄想を限りなく現実的に考え、シミュレーションしたサラリーマンたちがいることを知っているだろうか?
彼らは前田建設工業株式会社の社員による団体「前田建設ファンタジー営業部」だ。建築に興味のない人に、建設がどういう仕事なのか、そのおもしろさを伝えようという志のもと、広報活動の一環としてスタートしたグループである。
具体的にはアニメや漫画、ゲームなど、フィクション作品に登場する建造物を、前田建設が実際に受注し現状の技術および材料で建設するにはどうすればいいのか?…という架空の依頼のもと、本気で積算して図面を作り、工期、工費の見積もりを算出。それらの過程や結果をWEBサイトで公表するというものだ。
彼らがこれまでに取り組んできたプロジェクトは多岐にわたる。第一号の「マジンガーZ」の地下格納庫兼プールをはじめ、「銀河鉄道999」発着用高架橋、「機動戦士ガンダム」の地球連邦軍基地ジャブローに、レーシングゲーム「グランツーリスモ4」のオリジナルコースなどなど、バリエーション豊富な建造物に挑んできた。
これらの取り組みは話題を呼び、書籍や舞台化もされている。そしてこの度、舞台版も手掛けたヨーロッパ企画の上田誠の脚本により、なんと『前田建設ファンタジー営業部』(公開中)として映画化されることに。
時は2003年、前田建設工業のオフィスの片隅にある広報グループ。仕事に情熱を見出せないドイ(高杉真宙)が憂鬱そうに机に向かっていると、上司のアサガワ(小木博明)に「マジンガーZの格納庫を作れるか?」と問われる。適当に答えるドイだったが、同じ部署の他のメンバーたちが会話に加わり、口々に持論を展開。するとアサガワから「うちの技術で、格納庫作っちゃおう!」とまさかの一言が飛び出し、シミュレーションに向けて始動する…という物語が展開される。
突拍子もないプロジェクトに全力で取り組むドイたちの姿は、熱い感動と涙を誘うこと間違いなし!ぜひ劇場でチェックして、「前田建設ファンタジー営業部」の奮闘の軌跡を感じてほしい!
文/トライワークス