池松壮亮がヨコハマ映画祭主演男優賞「呆れるほど苦しかった20代」と激白
第41回ヨコハマ映画祭の授賞式が、2月2日に関内ホールで開催され、池松壮亮、小松菜奈、成田凌など豪華ゲスト陣が舞台挨拶に登壇。
『宮本から君へ』(19)で主演男優賞を受賞した池松は、今年、30歳になるが「呆れるほど苦しかった20代がようやく終わってくれると、スッキリしてます。20代は、たくさん日本映画に助けてもらったので、30代はもう1ギア上げていこうと思います」と力強く抱負を述べた。
『宮本から君へ』は、新井英樹の同名コミックを、テレビドラマ化に続いて映画化した話題作。文具メーカーの営業マン、宮本浩(池松)と、恋人の中野靖子(蒼井)が恋に落ち、人生最大の試練に向き合っていく。
池松は、ヒロインを務めた蒼井優について「ものすごいリスクを伴う役でしたが、本当に大きな力を注いでくれて心から感謝します。蒼井さんのシーンが美しくて、しなやかで、意志が強くて。真実を探求することを諦めないし恐れない、すばらしい女優さんでした」と心から称えた。
さらに真利子哲也監督についても「お互いに譲れない部分を夜な夜なぶつけあって、1週間、口をきかなかったこともありました。でも、わがままで諦めの悪い僕に最後までつきあってくれた。ものすごく狭い日本で、映画というものにまで生産性を求められる時代になってますが、粘り強く、1本1本を大切にされている監督です」と心から敬意を述べた。
また、ピエール瀧が麻薬取締法違反で有罪判決を受けたことで、「日本芸術文化振興会」が助成金の交付内定を取り消した本作については、他の登壇者が遺憾だと語ったなかで、池松はスタッフ陣について「変化を恐れず、自分たちの手で日本映画を前に進めたいという勇気のあるスタッフが集まっていて、本当に誇りに思います」と胸を張った。
作品賞は荒井晴彦監督の『火口のふたり』(19)で、作品賞、瀧内公美の最優秀新人賞、荒井晴彦の特別大賞と、3冠を獲得した。