マーメイドドレスにオレンジスーツ…『ジュディ』の60年代ファッション<写真20点>
レニー・ゼルウィガーが『シカゴ』(02)以来の見事な歌声を披露し、本年度アカデミー賞で主演女優賞に輝いた『ジュディ 虹の彼方に』が3月6日(金)より公開される。47歳の若さでこの世を去った稀代のミュージカル女優ジュディ・ガーランドの最晩年を描く本作。ショービズ界を駆け抜けた彼女の奇抜なファッションがなんとも華やかなので注目したい。
子役から活躍していたジュディは、『オズの魔法使』(39)で主人公のドロシー役に抜擢され、伸びやかな美声をもつ清純派女優として一躍スターとなった人物。その後も『若草の頃』(44)や『スタア誕生』(54)など不朽の名作で主演を務め、ハリウッドで頂点を極めた。ところが、子役時代からのしかかる過度なプレッシャーもあり、しだいに薬物依存や自殺未遂、4度の離婚と度重なるスキャンダルで世間を騒がせることに…。
劇中では、ジュディが借金返済のために引き受けた、亡くなる半年前の1968年冬に行われたロンドン公演の日々が切り取られている。気分屋で遅刻常習犯だったが、ひとたびステージに立てば大胆なパフォーマンスで観客を魅了してしまうジュディ。そんな彼女が身にまとう、豪華でファッショナブルな衣装がひときわ目を引くのだ!
まずは、メタリックな花柄に惹きつけられるマーメイドドレス。鎖骨まで見えるデコルテやヒップラインも際立つ女性らしいスタイルで、それを着て高らかに歌い上げるジュディはまさに“歌姫”の名が相応しい!一方、金刺繡が施されたオレンジ色のパンツスーツルックでは、ちょっぴりオリエンタルな雰囲気を纏い、帽子や袖に羽飾りをあしらったブルーのかわいらしいケープ風ドレスでは、ハッピーオーラを振りまいている。1960年代のロンドンファッションと表舞台の“光”で輝くジュディのカリスマ性に、思わずうっとりしてしまう。
60年代当時、同性愛者へ理解を示していた数少ない著名人の一人でもあったジュディ。時代を先駆けたゴージャスでエッジの効いた彼女のファッションが、感度の高いLGBTQのコミュニティから熱烈な支持を受けていたというのも納得だ。また、ジュディの子役時代を描く回想シーンでは、30年代のハリウッド全盛期を象徴するようなロマンティックなスタイルも登場するのでお楽しみに!
自身もキャリアの低迷期に苦しんだ経験を持つレニーが、ジュディの悲哀をパフォーマンスに込めて、繊細に体現した本作。特に、ジュディの代表曲「オーバー・ザ・レインボー」の独唱で起こる奇跡は必見だ!目に、耳に、心に響く本作を、ぜひ劇場で堪能してほしい。
文/トライワークス