宇梶剛士がゲイ役で新境地!女装姿も意外としっくり!?
強面俳優・宇梶剛士が、『東京公園』(6月18日公開)でゲイ役にトライし、何とドレスアップ姿まで披露している。本作は、三浦春馬、榮倉奈々、小西真奈美、井川遥ら豪華な俳優陣が共演したアンサンブルドラマだが、果たして宇梶はどんな設定の役柄で登場するのか!?
本作は『サッド ヴァケイション』(07)の青山真治監督が、「東京バンドワゴン」の小路幸也による同名小説を映画化した人間ドラマ。カメラマン志望の光司(三浦春馬)が、見知らぬ男からある美女(井川遥)の尾行を頼まれたことをきっかけに、親友の元彼女(榮倉奈々)や血のつながらない姉(小西真奈美)と真摯に向き合っていく。宇梶の役柄は、光司がバイトをしているバーのマスター役で、深みのあるゲイっぷりがたまらなく良い。
宇梶は、脇ながらも個性がキラリ、しかも劇中では女装姿まで披露している。きっと一般的には『パラダイス・キス』(公開中)の五十嵐隼士など、若手イケメンの女装なら“美しい路線”でウエルカムだろうが、“強面ゴツイ系”の宇梶の女装なんて誰が想像できようか!? 実はこれがまた、宇梶の彫りの深い顔とドレスが意外としっくり来ていて、まんざらでもないのだ。とはいえ、個人的には『今度は愛妻家』(09)の石橋蓮司のオカヤ役に匹敵するほどのインパクトがあったと付け加えておこう。
ということで、『東京公園』は青山監督が“爽やかつながり”で選んだという三浦春馬たちのみずみずしさが、公園の緑とマッチしていて素晴らしいのだが、宇梶の“女っぷり”にも断然注目してほしい。怖いもの見たさで押すわけではない(失礼)。そこには、宇梶の俳優としての懐の深さと共に、全ての登場人物の描写に手を抜かない青山監督の演出の魅力があると思うから。【文・山崎伸子】
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