松本人志が告白!『さや侍』の野見隆明のギャラはお小遣い制
現在公開中の時代劇『さや侍』で、松本人志監督が自身では初のティーチインを6月18日に丸の内ピカデリーで開催。松本は一般客からの質問に真摯に答え、野見隆明のギャランティーの話から、ダウンタウンの相方・浜田雅功の話題まで、いろんなことを赤裸々に語った。また質問に答えているうちに感極まって涙ぐみ、言葉を詰まらせる一幕もあった。
『さや侍』では、武士なのに刀を持たない“さや侍”野見勘十郎(野見隆明)が、殿様(國村隼)の命で若君を笑わせようと、毎日一発芸を披露する。もし30日以内に笑わせなければ、彼は切腹なのだ。野見勘十郎役は、松本がプロデュースしたバラエティ番組「働くおっさん劇場」の素人男性、野見隆明だが、そのギャランティーについて聞かれた松本は、「お小遣い制だった」と告白。「でも、野見さん、結構前借りがひどくて。パチンコに行って負けるから。最後はホテルのフロントの人にまでお金を借りて負けたって話を聞いてます」。また「携帯電話も解約されてて。連絡する時は電報打ってたんです」と言うと、会場は大爆笑となった。
年末に映画とバラエティー番組の仕事を同時進行していた苦労については、「なかなか大変で。生まれ変わったら笑う側に回りたい」と激白、「未だに笑いのことは難しくて、そのメカニズムはわからない」と、弱音のようなコメントも吐露した。相方・浜田について、「浜田って警察だと思うんです。警察って平和だと必要ないし、本当はいない方が良い。こういう言い方するとあれですが、みんなの笑いのレベルが高ければ、突っ込みなしでボケだけで成立する。ただ、突っ込みがないと、笑いのタイミングがわからないという現実があり、そこのジレンマが難しい。でも、ダウンタウンは浜田がいなかったら絶対売れなかったと思います」。
また、竹原和生(竹原ピストル)の起用については、「彼に関わらず、才能のある人間が認められないと」と言いながら、「うーん」と涙をこらえている様子だった。「ちょっとでも手助けできたらなあと思う。もちろん、竹原くんは僕がやらなくても大丈夫だとは思いますが。僕も、ロカルノ映画祭ですごく気に入ってもらえて、カンヌにも招待してもらって。それって回ってるんですよ。お返しというか」。
質問をしたファンは、既に2回、3回と見たリピーターが多く、なかには被災地から来たという人もいた。その人からは「身の回りでケガをした人やいろんな不幸な人がいましたが、映画を見て、前向きに感謝できて。ありがとうございました」という意見も出た。確かに『さや侍』は、これまでの松本監督作とは違って、笑って泣ける感動作になっている。松本監督も後半の親子愛が感じられるシーンでは「毎回泣きます」とも言っていたが納得だ。父親・松本人志の思いも詰まった一作となっているので、その熱い思いを是非スクリーンから受け取ってほしい。【取材・文/山崎伸子】