シアーシャ・ローナンにエマ・ワトソン…『若草物語』四姉妹のキュートでエレガントな19世紀ファッション!
ルイーザ・メイ・オルコットの不朽の名作「若草物語」を、グレタ・ガーウィグ監督が映画化した『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(公開中)。たくましく成長するマーチ家の四姉妹の姿がまぶしい本作、シアーシャ・ローナンらが演じる四姉妹の美しさを引き立てているのが劇中のファッションだ。
女性の社会進出が困難だった19世紀のアメリカを舞台にした本作。オルコット自身がモデルとなっている次女・ジョーを中心に、マーチ家の四姉妹がそれぞれの道を歩み、自分らしく成長していく姿を描いている。
強い意志を持って小説家を目指すジョー役をシアーシャ・ローナンが演じるほか、愛する人と結婚することがなによりの幸せだと信じる長女のメグ役にエマ・ワトソン、病と闘いながらも自らを顧みず人のために尽くす心優しい三女のベス役にエリザ・スカンレン、お金持ちになることを夢見る四女のエイミー役にフローレンス・ピューと、次世代を担う女優たちが集結。それぞれが自分らしさを貫く女性をチャーミングに演じている。
そんな彼女たちの容姿をより魅力的に引き立てているのが、アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞したジャクリーン・デュランによるコスチュームだ。2012年の『アンナ・カレーニナ』でも同賞を受賞し、時代ものを得意とするデュランは、赤、緑、紫、ピンク、水色などの色を使ってかわいらしさや優美さを表現。加えて「それぞれのルックスがなんらかの声明であることが大事だと感じたの」とコメントし、四姉妹の個性をそれぞれの衣装に反映している。
たとえば、おてんばで自由を求め、強固な意志を持つジョーには、その性格を表現するため、赤やインディゴブルーといった強い色をコーディネートに取り入れ、ロマンチストでドレスやおとぎ話を愛するメグには、当時の流行であったゴシックのリバイバルスタイルをチョイス。病弱で家にいることが多く、外の世界を見るチャンスが少なかったベスには、少女らしい柔らかなピンクの服を、そしてエイミーには若さと決断力が見て取れる衣装を選択したのだそう。
さらには同じ生地を使って姉妹の服を縫ったり、ある時代で使った生地を次の時代でも使うことでマーチ家の節約志向を反映。彼女たちがどういう人物で、どういった生活を送ってきたのかがわかるようになっているのだ。
また、四姉妹の近所に住む資産家の孫・ローリー(ティモシー・シャラメ)は、デュランが「フランスの画家ジェームズ・ティソが1868年に描いたパリの男たちの絵を参考にした」と語る、気品あるクラシックな装いながらひねりの効いたスーツ姿で登場。浮世離れしたシャラメのビジュアルと見事にマッチし、絵画から現れたかのような美麗な存在感に一役買っている。
旬なキャストによって魅力的に演じられたキャラクター像をより際立たせる、こだわりが詰まった衣装の数々にも注目してほしい。
文/トライワークス