米ソ冷戦&ケネディ大統領が関与?注目作に共通する1960年代をめぐる描写
プロフェッサーX、マグニートーらミュータントの若き日の葛藤を綴った『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(公開中)と、7月29日(金)公開のシリーズ最終作『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』。人類を守る側と脅かす側の激突を描いた両作には、ちょっとした共通点がある。実はそれぞれ1960年代、しかもケネディ米大統領の時代がストーリーに大きく関わっているのだ。
『X-MEN』では、1962年10月、米ソが核戦争寸前の緊迫状況に達したキューバ危機の背景で、今回の敵セバスチャン・ショウが人類を破滅させる作戦を展開。チャールズ(プロフェッサーX)、エリック(マグニートー)たちが、その作戦を阻止すべく行動に出るというクライマックスが描かれる。一方『トランスフォーマー』では、1960年代前半、トランスフォーマーの宇宙船らしき物体が月面に不時着。この直後、物体をソ連よりも早く調査すべく、ケネディ大統領がアポロ計画を推進させるシーンが描かれ、1969年に人類初の月面着陸に成功したアポロ11号の乗組員が物体に遭遇する、という展開が導入となる。
大戦後も紛争や冷戦を引き起こす人類に失望し、彼らを「支配すべき」という道を選ぶ『X-MEN』のエリック、月面での真相を隠蔽し続けたことで人類破滅の危機につながる『トランスフォーマー』。まるで歴史のダークサイドを掘り起こしたような演出は、人類の終末をめぐるドラマにリアリティを与える。アメリカの歩んだ20世紀を、この機会に紐解いてみるのも面白いのではないだろうか。
ちなみに、テイストは異なるが、2012年5月25日(金)日米同時公開の『メン・イン・ブラック3』では、ウィル・スミス演じるエージェントJが1960年代へタイムスリップするという展開が盛り込まれているとのこと。もしかしたら、今後ハリウッドでは1960年代を描く映画が増えていくのかもしれない。【トライワークス】