コミコンに続き、夏の名物アニメイベント“アニメ・エクスポ”も開催中止を決定
4月17日に発表された、北米最大のコミック・コンベンションであるコミコンの中止は多くのコミック・ファン、映画ファンを落胆させた。
毎年夏にアメリカ・サンディエゴで行われていたコミコンは多くの新作映画やドラマのお披露目の場となっていて、1年間この催しを楽しみ待っているファンも多い。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、カリフォルニア州は全米のどの州よりも早く外出禁止令を発出していたこともありいまのところ感染爆発は免れている。だが先週にはロサンゼルス市長のエリック・ガルセッティ氏が「数千人規模で集客する大規模イベントの開催は2021年まで厳しいだろう」と発表している。
これは現時点でワクチンが開発されていないこと、また人々が免疫を得るまで相当な時間を要するだろうという見通しから出た見解で、夏以降のイベントも開催可否について結論を迫られていた。だが仮に7月の時点で大型イベントが許可されていたとしても、ハリウッドの大作映画の延期が相次ぎ、この3月から映画やドラマの撮影が止まっている中での新作プロモーションは厳しいものがあったと思われる。
そして、サンディエゴのコミコンと同日にアニメ・エクスポ(通称AX)の中止も発表された。
AXは、主に日本の漫画やアニメに特化した北米最大のコンベンションで、今年で29回目を迎える。第28回の昨年は7月の独立記念日の週末に行われ、4日間で述べ35万人を動員。日本から招かれるゲストも多く、昨年は大友克洋氏など多数のゲストがロサンゼルスでファンとの交流イベントを行なった。
この決定に際して、AXを主催する日本アニメーション振興会のCEOレイ・チャンは、「最大の関心は、AXコミュニティのみなさんの健康と安全についてでした。私たち自身もアニメファンであるため、みなさんがどれだけ失望しているか理解しています。ご想像の通り、これは29年間のAXの歴史の中で最も困難な決断でした。(中略)私たちはこのコミュニティを愛しサポートし、AXは他に類を見ないイベントであると自負しています。毎年夏のAXで、アニメと日本のポップカルチャーへの愛を通じて私たちはひとつになります。2021年のAXでお会いできることを楽しみにしています」とHPで発表した。第30回目の記念の年となるアニメ・エクスポは2021年7月2日から5日まで開催される予定だ。
文/平井伊都子