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Amazonオリジナル「ザ・ループ」のマット・リーヴスが、コロナ禍の人々へ熱いメッセージ

インタビュー

Amazonオリジナル「ザ・ループ」のマット・リーヴスが、コロナ禍の人々へ熱いメッセージ

「物語はシモンのイラストに基づいているが、非常に型破りなアプローチができた」

エグゼクティブプロデューサーのマット・リーヴス
エグゼクティブプロデューサーのマット・リーヴス[c]Shutterstock

リーヴスと言えば「クローバーフィールド」シリーズや、リブート版「猿の惑星」シリーズなど、数多くのSF作品を手掛けてきたヒットメーカーだ。彼が今回、原作に惹かれたのは「ファンタジーなのに、ちゃんとヒューマンドラマとして描かれている点」だそう。

「私だけでなく、ネットで目にした人や多くの映画製作者たちは皆、彼の画に魅了されたと思う。画を通して伝わってくる感情があるし、スタンダードなものではないけど、とても映像的な作品だと感じたよ。その画がなにか物語を暗示している気がして、それを膨らませてドラマを作ってみたら、とてもおもしろいに違いないと思ったんだ」。

そこからリーヴスは、「THE KILLING/キリング」、「レギオン」などのドラマシリーズを手掛けた脚本家のナサニエル・ハルパーンに企画を持ち込んだそうだ。「彼にシモンの作品を見せたら、僕とまったく同じ反応をしたよ。そのあと1週間以内にまた彼と会ったが、その時にはAmazonのドラマシリーズ用に脚色した脚本のたたき台ができていた。それぞれのストーリーはシモンの本にあるイラストに基づいたものだが、非常に型破りなアプローチ方法で、今回のような作品になったよ」。

【写真を見る】ループ(MCEP)の地下にあった大きな球状の物体の正体とは!?
【写真を見る】ループ(MCEP)の地下にあった大きな球状の物体の正体とは!?

具体的には、どこにこだわって脚本を作っていったのか?「すべての鍵は、比喩のように描かれたそれぞれのイラストで、それをナサニエルが感受性豊かに、脚本化していった。ナサニエルが書いたのは、非常にデリケートな作品で、ロッド・サーリングの『トワイライト・ゾーン』シリーズのように、人間の体験を追ったSF作品のようなものだが、それをさらにひねっている。ナサニエルはもっと静謐な物語にしたいと思ったから、敢えて謎に対する答えにはたどり着かないようにしたんだ」。

確かに本作は、毎話展開される不可解な謎について、明確な答えを得られるドラマではなく、非常に余白が多い。「物語を単純化し、わずかにひねっただけの作品にはしたくなかった。なぜなら、すべてのストーリーが、人間の経験を比喩したものになっているけど、それは私たちが理解できていないものと共存すると同時に、立ち向かうべきものでもある。例えば、成人することや、初恋、喪失感など、私たちが経験するすべての通過儀礼なので、その時の感情を掘り起こすことができる。ナサニエルが脚本を書くうえでこだわったのはそこだよ」。

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