Amazonオリジナル「ザ・ループ」のマット・リーヴスが、コロナ禍の人々へ熱いメッセージ - 3ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
Amazonオリジナル「ザ・ループ」のマット・リーヴスが、コロナ禍の人々へ熱いメッセージ

インタビュー

Amazonオリジナル「ザ・ループ」のマット・リーヴスが、コロナ禍の人々へ熱いメッセージ

「SF作品にありがちな、騒々しいものを目指さなかった」

シーズン1エピソード2「入れ替わり」
シーズン1エピソード2「入れ替わり」

本シリーズはSFファンタジーだが、そこで描かれているのは非常にパーソナルな内面に迫る物語となっている。また、1話完結型のドラマでありながら、登場人物やストーリーがリンクしていくという点も巧みだ。

「初恋であれ、共感であれ、嫉妬であれ、喪失であれ、それぞれのエピソードは毎回違うし、各登場人物たちが経験した内容になっている。でも、実はすべてがつながっていて、それぞれのストーリーがどんどん積み重なっていくんだ」。

特筆すべき点は、自然豊かで牧歌的な町の日常と、非日常の世界観が静かに溶け合っている洗練された映像美だ。複数の監督が参加しているにも関わらず、ビジュアルのトーンが統一されている。

「それは、1話を手掛けたマーク・ロマネク監督が、シリーズ作品のために重要なビジュアルのテンプレートを設定してくれたことも大きかったが、それ以上に、シモンの作品そのものが、目指すべきテンプレートであったことが重要だったと思う。すべてのエピソードは映画のように描かれていて、マークとそれぞれの監督は、深く関わっていったし、ナサニエルは毎日セットに足を運び、各監督と一緒に作業をしてくれた」。

シーズン1エピソード3「静止」
シーズン1エピソード3「静止」

ただ、その一方で、各監督が自分のカラーを出すことも重要だった。「各自がシモンのイラストとナサニエルの脚本や彼が発する言葉をそれぞれ解釈することで、ある種の視覚的な一貫性が生まれると同時に、それぞれの監督が物語に入り込むことができ、そのなかで独自の色も生まれたと、私は思っている」。

ビジュアルだけではなく、演出のトーンについてもまとまりを感じる。

「演出についても、第1話を手掛けたマーク・ロマネクが、物語のペースやリズムなどのトーンを確立したけど、それはナサニエルが書いた脚本に基づいたものだ。それよりも、僕がプロデューサーとして興奮したのは、本作がこういうSF作品にありがちな、大きなアクションの連続やスペクタクルに頼った、騒々しいものを目指さなかった点だ。すなわち、ナサニエルが到達したかったのは、もっと親密で小さな瞬間を捉えるという作品だった。すべてが非常に微妙な瞬間を捉え、リズミカルなショットが押さえられていて、かつつながっている。それらは、ナサニエルが書いた各脚本にDNAとして埋め込まれていたものだ」。

作品情報へ