園子温監督『ヒミズ』がヴェネチア国際映画祭に出品決定!金獅子賞受賞への期待が高まる
「行け!稲中卓球部」の古谷実がギャグを封印し、若者の暗部をえぐった問題作の映画化『ヒミズ』(2012年春公開)が、イタリア現地時間8月31日(水)より開催される第68回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが決定した。
2009年に『愛のむきだし』がベルリン国際映画祭出品、2010年に『冷たい熱帯魚』がヴェネチア国際映画祭出品、2011年に『恋の罪』がカンヌ国際映画祭出品と、作品を発表する度に世界の映画祭から高い評価を受け続けてきた園子温監督。世界三大映画祭のコンペ部門への出品は、今回が初の快挙となる園監督は、本作について「撮影の前に大震災、原発事故が起きて、それまで書いていたシナリオを書き変えなくてはならなくなりました。どうしても今、この現実を映画の中に取り入れて、撮っておかなくてはいけないと思いました。たった今、目の前で起きている本当の世界に即して、映画を撮るというのは非常に生々しく、大変なことでありました」と苦悩を明かした。
メインキャストの一人、染谷将太は今回の決定に、「大変名誉であり、大変嬉しい気持ちです。現場では見えない魔物と戦っていて、常に興奮していました。その興奮がこの喜びの興奮につながったことに感動しています」と喜びを隠し切れない。
同映画祭において、コンペ部門に出品される日本映画は本作のみ。最高賞の金獅子賞受賞への期待も高まると共に、日本の若者の心の闇を描いた問題作を実写化した映画を世界がどのように評価するのかにも注目が集まる。
なお、今回の決定を受け、園子温監督は同映画祭公式上映に参加し、レッドカーペットに立つ予定となっている。【Movie Walker】
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