『夜明けの街で』の深田恭子「手ごたえなんて申し上げられません」

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『夜明けの街で』の深田恭子「手ごたえなんて申し上げられません」

人気作家・東野圭吾による初の恋愛小説を映画化し、深田恭子が大人の恋愛を繰り広げることで話題の『夜明けの街で』。本作が公開初日を迎えた。東京・角川シネマ新宿には、深田恭子をはじめ、岸谷五朗、萬田久子、中村雅俊が若松節朗監督と共に登場し、舞台挨拶を行った。映画初日とあわせ、原作200万部突破を記念し、キャストたちは映画にちなんだカクテルで乾杯。ノンアルコールとはいえ、お酒好きの深田もご機嫌の舞台挨拶となった。

本作で不倫関係に落ちる男・渡部を演じた岸谷五朗は、「普通のラブストーリーでは、相手を愛することに浸っていけるんですが、この作品では、深田恭子ちゃん演じる女性・秋葉と、木村多江さん演じる奥さんの間で、初めて愛することの重さを天秤にかけなければいけないかった。普通のサラリーマンが秋葉と出会い、甘い地獄に落ちていく。その普通であることを心がけました」と役作りの難しさを語った。

殺人容疑で時効間近というミステリアスな一面も持つ女性・秋葉を演じた深田恭子は、本作で女優として新境地開拓に挑んだ、そんな深田は「秋葉は男性にとってミステリアスで素敵かもしれませんが、女性の私からはなかなか共感できなかった役柄でした。なので監督から1シーン、1シーンで細かい演出をしてもらいました」とコメント。司会者から「演じた手ごたえは?」と質問され、「手ごたえなんてことは申し上げられません(笑)。でも演じきることができて良かったと思います」と恐縮しながらキュートな笑顔を見せた。

叔母・妙子役を演じた萬田久子は、「午前中から見る映画ではないような気がします(笑)」と笑いをとりつつ、「人を愛するということは、とてもエネルギーのいること。愛してはいけない人を愛するという揺れ動く心を想像しながら楽しませてもらいました」と説得力のあるコメントで観客をうならせ、深田の父・達彦を演じた中村雅俊は、「この映画に関わった人たちは、みんな最大限の仕事をしたと確信しています。人間の持っている本性、脆さや強さ、けなげさや怖さが同居していて、この映画の中で面白く表現されているので、観客としても楽しませてもらいました」と映画の魅力を語った。

本作のメガホンをとったのは、『沈まぬ太陽』(09)の若松節朗監督。若松監督は「キャストたちの挨拶を聞いていると、非常に暗い映画のように思われるかもしれなけど、全くそんなことはありません! この映画はラブサスペンス。五朗ちゃんと恭子ちゃんが、キラキラしている横浜を舞台に恋愛を繰り広げる。この映画を見て、『もう一度、恋をしてみたいな』とか『横浜に行ってみたいな』と思ってもらえると嬉しいなと思いながら撮りました」と作品に込めた思いを語った。大人のラブストーリーの舞台にぴったりな、横浜の美しい夜景にも是非注目してもらいたい。

また岸谷と中村は、司会者から「男性は妻子ある身でも、魅力的な女性が現れたら心が動くものですか?」という質問され、「家に帰って部屋に萬田さんがいたら、まずドアを閉めます! 存在感が恐ろしい」と岸谷。一方の中村は「俺は萬田さんがいたら、(部屋に)入っていきますね」とコメント。そんなふたりの言葉を聞いた萬田は、「私はふたりともウェルカムですよ」と大人のコメント。意見を求められた深田は「意見? なんか楽しそうでしたね」と少女のようなあどけない表情で男性客を虜にしていた。

舞台挨拶終盤には、映画の公開と原作の累計200万部突破を映画にちなんだカクテルでお祝い。毎日、シャンパンを飲むというお酒好きの深田は、ノンアルコールのカクテルのカラフルな色合いとフルーティーな香りを楽しみ、岸谷の掛け声で乾杯。観客たちにも同じカクテルが配られ、会場一体となって大人のムードが漂う中、映画の初日を祝った。【取材・文/鈴木菜保美】

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