瑛太が『ワイルド7』で競演した深キョンの切り替えの速さに驚き!
望月三起也の人気コミックの映画化作品『ワイルド7』(12月21日公開)で、初の本格アクション映画にトライした瑛太にインタビュー。『海猿』シリーズの羽住英一郎監督作ということで、アクションに懸ける瑛太の情熱は半端じゃなかった。元々、バイクの大型免許を持っていた彼は、スタントマン顔負けのバイクアクションやド派手な銃撃戦にも果敢に挑んだ。深田恭子扮するヒロイン・ユキを乗せて疾走するシーンも瑛太自身が演じている。果たしてその舞台裏とは?
警視庁からスカウトされた元犯罪者7人で構成される「ワイルド7」は、密命を受け、凶悪犯人を極秘裏に抹殺するという超法規的組織だ。瑛太が扮するのは、ガンさばきとバイクテクニックに長けた主人公・飛葉大陸役。他に椎名桔平、丸山隆平、阿部力、宇梶剛士、平山祐介、松本実と、個性派メンバーが集結した。
羽住監督とは『銀色のシーズン』(08)以来のタッグとなった。「最初に監督から先入観を持ってほしくないってことで、原作は読まないでほしいと言われたんです。僕自身が飛葉という役に向き合い、台本の中の飛葉を楽しめるようにってことで。だから撮影に入る前までは、『ワイルド7』が僕の少ない想像の中のものでしかなくて。もちろん、『銀色のシーズン』が楽しかったから、今回も現場は絶対楽しいものになるという監督との信頼関係はありましたが」。
バイクアクションについては、羽住監督と相談しながら進めていった。「最初に、大型バイクでどのくらいタイヤを滑らせられるかといったギリギリの境界線を見極めるテストなどをやりました。事故を起こして撮影が止まってしまうと大変だから。でも、やっていくうちに、普段より欲が出てくるんです。ここはスタントの方じゃなくて、自分がやってみたいと思ったり。そこを抑えながら、あまり大きく出すぎず、かといって小さくなりすぎずにやっていきました」。
普段のバイクの運転の仕方も変わったりしたのだろうか? 「帰り道、バイクの運転がちょっと荒くなってるなって自覚して、セーブしたりもしました。でも、基本、僕はあまり飛ばすのが好きじゃないんです。現場ですごく飛ばす人がいても、自分はあえてゆっくり行きたいって思ったり。そういう時、自分は性格がひねくれてるというか、歪んでるなって思ったりしました(笑)」。
深田扮するユキを乗せて疾走するシーンでは、道路を封鎖して撮影を行い、かなりスピードを出していたが、実際やってみてどうだったのだろうか。「ユキと初めてふたり乗りをするシーンは、車と車の間をスイスイと走り抜けるというものでした。最初、どういう感じかをつかむために練習した時、深田さんが『キャー! 怖い! こんなに飛ばすの!?』って言ってて。それで僕は『このくらい飛ばさないといけないみたいだよ。捕まっていれば絶対大丈夫だから』って言ったんです」。
そして、本番を迎えた時、瑛太は深田の女優スピリットに感銘を受けたという。「本番では、僕の体をつかむテンションが全然違っていて、普通に柔らかかったんです。後で監督に聞いたら『本番の時だけ、一切表情に怖さが出ていなかった』って言ってて。その切り替えがすごいなと思いました。深田さんは普段、わりとおっとりしている方だけど、本番で目を合わせて芝居をしていると、『ああ、ユキだ』って感じがすごく伝わってくるんです。敵対しつつも、しっかり芯を持ってる感じがね。一緒にやっていて、切り替えの速さと賢さみたいなものを感じて、すごく面白かったです」。
ワイルドな男たちのアクションが見どころの本作だが、飛葉とユキとのロマンスも丁寧に描かれた『ワイルド7』。特に瑛太と深キョンが、あうんの呼吸で心を通わせるシーンはお見逃しなく!【取材・文/山崎伸子】