オダギリジョー、戦争映画『マイウェイ』の現場は「この世のものとは思えないひどさ」
実話を基にした感動の戦争映画『マイウェイ 12,000キロの真実』(2012年1月14日公開)の来日記者会見が12月19日、ザ・ペニンシュラ東京で開催。オダギリジョー、チャン・ドンゴン、ファン・ビンビン、カン・ジェギュ監督が登壇した。オダギリは「カン・ジェギュ監督は『シュリ』(99)を作った歴史に残る監督。戦争映画の醍醐味みたいなものをフィルムに焼き付けているので、是非とも期待してほしいです」と力強く挨拶した。
オダギリジョーは、本作の過酷な撮影をこう振り返った。「この世のものとは思えないひどさ。僕の経験したことがない規模の戦闘シーンの毎日。想像を遥かに絶するひどい現場でした。本物の戦車が行き交う現場も、こんなにマシンガンを撃ちまくる映画も今後はないと思うし。本当に良い経験をさせていただきました」。ドンゴンは「以前、『ブラザーフッド』(04)で監督とやったけど、その経験は全く役に立たないほど壮絶なシーンでした。後は気温がマイナス17度の寒さが骨身に染みました」と語った。
ジェギュ監督はオダギリとドンゴンの2ショットについて、「ふたりとも男前で魅力的だから、彼らが一緒に出るシーンを想像すると、女性のファンがどれだけ喜ぶだろうと思って嬉しくなりました」とコメント。ファン・ビンビンはオダギリたちと同様に、戦闘シーンの苦労を明かした。「現場では誰も私を女性扱いしてくれない状況で。4、5人の男性と共に全速力で走り、氷水の中に男性と一緒に飛び込みました」と言った後、「戦争映画でも、お互いを思い合うところを描いている点がこの映画の大事なところです」と本作をアピールした。
最後に見どころを尋ねられたオダギリは、「特に見どころは書かなくて結構です。とにかく見てくれと」と訴えかけると、チャン・ドンゴンも「その通りです」と語り、会場の笑いを誘った。オダギリジョーとチャン・ドンゴンが渾身の演技を魅せる『マイウェイ 12,000キロの真実』。『プライベート・ライアン』(98)や『レッドクリフ』(08)のスタッフも参加した本作の戦闘シーンは確かに圧巻だ。そしてその分、戦地を生き抜く男たちのドラマが骨太に描かれ、終盤の展開は涙なくしては語れない。心して臨みたい力作である。【取材・文/山崎伸子】