オダギリジョー、あわやチャン・ドンゴンと全裸のフンドシ姿で吊るされるところだった!?
映画『マイウェイ 12,000キロの真実』の初日舞台挨拶が1月14日、新宿バルト9で開催。オダギリジョー、夏八木勲、佐野史郎、鶴見辰吾、カン・ジェギュ監督が登壇。オダギリは「本作に携わってそろそろ2年、これだけ長い期間、1つの映画に携わったこともなかったので、振り返ると…涙は全く出ないんですけど(笑)。ようやく見ていただけます」と茶目っ気たっぷりに挨拶をし、監督も爆笑した。
第二次世界大戦で、奇しくも日本・ソ連・ドイツと、3つの軍服を着ることになった日本人と朝鮮人の男たちの生き様を描く感動作。過酷な戦場体験をした鶴見は、「日の丸を背負っている重責を感じて入りましたが、韓国のスタッフは温かく迎えてくれました」と語ると、夏八木も「絵コンテがスタッフ全員に配られていて、現場では大きな声を出すこともなく、実に能率的でした」とほめ称え、佐野も「震災直後の撮影で、韓国の皆さんに優しくしていただきました」と感慨深い表情で語った。
その後は撮影の苦労話をそれぞれが披露。オダギリは「監督が、僕とチャン・ドンゴンさんがソ連軍に罰として吊り下げられるシーンを裸で、しかもフンドシ姿で行きたいと言い出しまして。それ、日本人なら笑いますよと(笑)。さすがにドンゴンさんも受け入れられないだろうと思って、僕が代わりに強くお断りしました。あのシーンでは、軍服の下に体を縛るハーネスを付けましたが、本当に辛くて。裸だったら、本当に死んだんだろうなと」と激白すると、会場は大爆笑。鶴見も「切腹のシーンの血のりで、パンツがべちょべちょになりました」と告白し、笑いを誘った。
主人公たちがマラソンでオリンピックを目指すという本作の設定にちなみ、オダギリからカン・ジェギュ監督に、靴の中に走行距離を管理できるチップが入ったランニングシューズがプレゼントされた。監督は最後に「この映画が、韓国と日本の人々がお互いを理解し、本当の意味での友人になれるきっかけになれれば」と熱く語って舞台挨拶を締めくくった。
『プライベート・ライアン』(98)や『レッドクリフ』(08)のスタッフが参加した本作の戦闘シーンは確かに圧巻だ。でも、それ以上に、オダギリたちが体現した、国境を渡って生き抜いた男たちの生き様や友情の絆が胸を打つ。監督が「女性にも戦争映画を見てほしいと思ってオダギリさんたちをキャスティングしたが、大成功でした」と語っていたが、本作を見れば大いに納得するはずだ。【取材・文/山崎伸子】