『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督が来日! 3D版を作った理由とは?
日本洋画興行成績歴代1位、アカデミー賞受賞数歴代1位(11部門史上タイ記録)の輝かしい記録を持つ『タイタニック』(4月7日公開)が、沈没から100年目を迎える2012年、3D映画としてよみがえった。本作でその名を世界に轟かせたジェームズ・キャメロン監督が来日し、3月30日にザ・ペニンシュラ東京で記者会見を開催。新たに生まれ変わった『タイタニック』の見どころを語った。
『アバター』(09)のキャンペーン以来、2年半ぶりに来日したキャメロン監督は、神妙な面持ちでこう挨拶をした。「日本は大好きな国。でも、震災で津波などの被害が起こり、悲しい時期がありました。改めまして、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。今回、日本人の国民の強さを目の当たりにし、敬意を表したいです」。
今回、『タイタニック』を3D映画にした経緯についても語ってくれた。「沈没から100年、タイタニックの事件そのものに、もう一度世界中から注目を集めたかったんです。僕は、実際に沈没船のあるところまで潜って、ドキュメンタリーも3本撮りましたし。ただ、2Dから3Dへの変換は、とても手間がかかりました。3D映画を作るなら、最初から3Dで撮るのがベスト。でも、歴史的な名作については、2Dでしか撮ってないから、その場合、正しく変換できるなら、やっても良いと思います」。
実際、キャメロン監督は、身振り手振りで、映像の髪の毛1本ずつを加工する手作業の大変さを示してくれた。「なぜ、そういうことをしたのか? それは3Dが好きだから。3Dにすることで、新しい命を吹き込める。それにスケールの大きい映画だから、また大スクリーンで見てもらいたいと思ったのです」。実際、3D版は2D版よりも感動できるという声も多いとか。キャメロン監督は「3Dで見ると、無意識的に作り物じゃないって感覚に陥り、よりリアリティが出て、ドラマにのめり込めるんじゃないかな」と、手応えを感じたという。
レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットによるドラマティックなロマンスを軸に、沈没する豪華客船の悲劇をダイナミックに映し出した本作。262億円という驚異の日本洋画興行収入を記録した『タイタニック』は、全世界興行成績でも『アバター』に次いで歴代2位の記録を保持している。しかも、両作ともキャメロン監督がメガホンを取った作品なのだ。やはり監督はすごい。『タイタニック』の3D版の興行にも要注目だ。【取材・文/山崎伸子】