りんごの無農薬栽培を成功させた実話「奇跡のリンゴ」を阿部サダヲ×菅野美穂共演で映画化|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
りんごの無農薬栽培を成功させた実話「奇跡のリンゴ」を阿部サダヲ×菅野美穂共演で映画化

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りんごの無農薬栽培を成功させた実話「奇跡のリンゴ」を阿部サダヲ×菅野美穂共演で映画化

絶対不可能と言われていた、りんごの無農薬栽培を足掛け11年で成功させた実話を描いた「奇跡のリンゴ」が阿部サダヲ、菅野美穂の共演で映画化されることがわかった。極貧に耐え、周囲の人々の圧力に屈せず、自殺に追い込まれながらも踏みとどまり、りんごの無農薬栽培を成功させた木村秋則さんを阿部が、その木村さんを支えた妻の美栄子さんを菅野が演じる。監督は『ゴールデンスランバー』(10)、『チーム・バチスタの栄光』(08)などの中村義洋。

木村さんの波乱万丈な生き様は、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも取り上げられた。東京・白金台には半年先まで予約でいっぱいのレストランがある。その看板メニュー「木村さんのりんごのスープ」は一人の男が起こした奇跡が生んだものだった。

りんごは農薬の恩恵を受けずして生産不可能な果実だったが、その農薬が妻の体を蝕んでいたことをきっかけに、秋則はりんごの無農薬栽培への挑戦を決意。美栄子の父の協力の下、私財を投げ打ち挑戦を続けるが、約10年、その奇跡の果実が実ることはなかった。畑は痩せ、周囲の農家には「カマドケシ(津軽弁で破産者)」と疎まれ、家族は貧困に窮していた。追い詰められた秋則は岩木山に登り、自殺をはかるが、その時、荒れ果てた山野に果実を実らせた一本の樹を見つけ、奇跡の糸口をつかむ。

中村監督は初タッグとなる阿部を起用した理由を、「実際に木村さんがよく言う『バカになれ』という言葉や、劇中の『バカだからなーんもわかんねぇのよ!』というセリフにあるような“底抜けのリンゴバカ”を演じていただくには、この人の持っている、わけのわからない力強さしかないと思い、オファーさせていただきました」と明かす。木村さんを演じることについて、阿部は「“世界で初めて”を成功させて、今現在もご活躍中の方を演じる! そんな経験ないです! そして、あの木村さんの雰囲気・・・そう簡単に出せるものではないと思っております。たくさん研究して試して、共演者、スタッフの方々と大事に育てて、素敵な秋則を作りたいと思っています」と意気込みを語る。両親がりんごを作っている岩手県出身の菅野は、「何か縁をいただいたようにも感じています」と感慨深い。美栄子さんを演じることについては、「素直で優しく、猪突猛進の木村さんを受け止め、温かく見つめるのが務めだと思っています」と心境を語った。

二年前に映画化の話を受け、喫茶店で原作本と脚本を読んで号泣したという中村監督は、「是非やらせてくださいと即答しました。無農薬でリンゴを作るということがどれだけ奇跡的なことかもあるのですが、あらゆる仕事においてチャレンジを続ける人々の普遍的な物語であると感じました」と作品の印象を明かす。作品に込めるメッセージとして、「普通、止めるでしょ、そんなの、というところを全く諦めない男とその妻の物語です。今、まさに何かを諦めかけている方が見て、この家族に比べたら自分の方が恵まれてるな、もう少し頑張れるな、なんて思っていただけるような、そんな映画になるよう、阿部さん、菅野さんをひどい目に遭わせ、どん底まで追い込んでいこうかと思っています」とユーモアたっぷりのコメントを交え、意気込みを見せた。

美栄子の父・征治役には山崎努を起用、原田美枝子、池内博之の出演も決定している『奇跡のリンゴ』は、4月中旬から6月中旬と秋冬実景撮影を予定し、オール弘前ロケを敢行、2013年の公開を目指している。【Movie Walker】

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