岡村隆史、『あなたへ』で憧れの高倉健と12年越しの共演が実現!
『鉄道員 ぽっぽや』(99)の降旗康男監督、高倉健主演で妻の死後に夫が妻の故郷に向かう姿を描く『あなたへ』(8月25日公開)に、岡村隆史が出演することがわかった。岡村へのオファーのきっかけは、2000年の第23回日本アカデミー賞授賞式。『鉄道員 ぽっぽや』で最優秀主演男優賞を受賞した高倉が、『無問題』(99)で話題賞を受賞した岡村と同席した際、「いつか一緒にお仕事しましょうね」と声をかけたことがきっかけ。その約束を忘れず、本作のキャスティングの際に高倉が岡村の名前を挙げ、12年越しの共演が実現した。
岡村が演じるのは、倉島英二(高倉)と妻・洋子(田中裕子)が大阪で訪れるお好み焼き屋で出会う、阪神タイガースファンの男。本作撮影半ばの2011年9月25日、東宝スタジオに作られた、下町の飲み屋のセットで撮影が行われた。岡村は、阪神タイガース優勝の瞬間をテレビで観戦し、興奮のあまり、英二と洋子に乾杯を求めるというシーンの撮影に挑んだ。事前にタイガースファンの知人に「六甲おろし」の歌い方を習い、準備したという岡村。「迷惑をかけてはいけない! NGなんて絶対出してはいけない! 噛んだらいけない!」という緊張とプレッシャーから、前日は眠れなかったということだ。倉島夫妻と乾杯を行うアドリブ演技、そして「六甲おろし」の大合唱という撮影を無事に終えた岡村は、ほっとした表情をのぞかせ、「楽しかったです。夢のような時間でした」と興奮を隠せない。撮影現場で座らないということで有名な高倉。岡村は一切座らないようにしていたが、「マネージャーがどーんと座っていたんです!『立て!』って言いました。説教しますよ!」と、内心ヒヤヒヤの一部始終を明かした。
撮影後のメイキングインタビューに応じる岡村のもとに高倉が顔を出し、冗談を言うなど高倉が岡村を気遣う姿も。自身が体調を崩し、休養していた時のことも話したといい、岡村は「精神面のことや仕事のことでアドバイスをいただきました。連絡先も教えていただいてるんですが、ボタンが押せなくて。クランクアップしたらお茶でもしていただけたらと。夢のまた夢なんですが」と、恐縮しきりだった。憧れの高倉との共演に、「もう何年も前にアカデミー賞でお会いした時、『いつか一緒にお仕事しましょうね』って言っていただいたんですよ。でも、そんな日が来るわけもないなあと思っていたのに、今回声をかけていただいて本当に嬉しいです」と喜びを語り、「高倉健さんみたいになりたいです、僕。高倉さんみたいな格好良い大人になりたいです」と憧れの眼差しを向けた。【Movie Walker】