『ホビット』最新技術での映像に賛否両論! 「テレビ番組みたい」という声も
全米劇場主協会がロサンゼルスで開催する映画祭シネマコンで、ピーター・ジャクソン監督の『ホビット 思いがけない冒険』(日米12月14日同時公開)の10分間のフッテージが上映されたが、毎秒48フレームで撮影、上映するという最新技術に賛否両論の声があがっているようだ。
映画は過去数十年間にわたり、通常は毎秒24フレームで撮影されてきた。しかし、テレビの世界ではデジタルハイビジョンの登場によって、それ以上のフレームでの映像が可能になっている。ピーター・ジャクソン監督もそれにならい、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの前章に当たる『ホビット 思いがけない冒険』と『ホビット ゆきて帰りし物語』(日米2013年12月13日同時公開)を毎秒48フレームの3Dで撮影しており、「よりリアルな映像になる」と語っていた。
しかし、毎秒48フレームで撮影された映像を見た人々の反応は微妙だったようで、ゲームサイトIGNの映画ページが「低予算のテレビ番組のようだ」と書けば、映画情報サイトComingsoon.comは「『ドクター・フー』の昔のエピソードを見ている気分になった」と指摘する。ある映写技師は「ブルーレイの映像を初めて見た時を思い出す。映画から温かみが消えている」と米業界誌バラエティーに語ったそうで、「テレビ映画のように見えた。映像がくっきりとして、明瞭過ぎる。画質のコントラスト比にまだ問題がある。全てが明る過ぎるか、真っ暗かのどちらかだ」と、別の映写技師もロサンゼルス・タイムズに指摘したという。
公開時になれば、全ての映画館が毎秒48フレーム上映に対応できるわけではないので、それほど問題にはならないかもしれないが、3Dブームに次ぐ新たなブームを起こすかもしれないと言われている新技術も、今の段階では賛否を呼んでいるようだ。【UK在住/ブレイディみかこ】