癒される人が毎年100万人! 巡礼の旅の魅力はどこにある?
志半ばで不慮の事故に遭い、この世を去った息子の遺志を継ごうとする眼科医の男の姿を描くヒューマンドラマ『星の旅人たち』(公開中)。同作で描かれるのは、エルサレム、ローマのサン・ピエトロと並ぶキリスト教の三大聖地と言われるスペイン北部ガリシア地方にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅だ。9世紀初頭に始まり、今や世界中から年間100万人を超える巡礼者がそこを訪れると言われているが、では何がそこまで人々を魅了するのだろうか?
もちろん、本来の巡礼目的で旅に出る人が多いが、近年はトレッキング感覚でその旅に参加する人も多いのだという。というのも、目的地のサンティアゴ・デ・コンポステーラ以外にも、世界遺産になっている美しい聖堂や修道院などの建物が数多く存在する。麦畑や牧草地といった緑が数多くあり、小高い丘から見る美しい夕焼けといったロケーションも抜群なのだ。
また、同じ目的に向かって旅を続けるなかで、何度も同じ宿に泊まり、食事を共にし、同じ行程を歩くうちに、劇中の主人公のように見知らぬ国の巡礼者どうしが知り合い、絆を深めていくというケースも少なくないのだとか。
日本でいうところの富士山登山や、四国のお遍路旅とはちょっとスケールは違うものの、やはり最終目的地に到着したことに対する達成感というのもひとしおらしい。本作を見れば、その魅力の一端がわかるかもしれない。【トライワークス】
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