『るろうに剣心』の佐藤健「一番苦労したのは、吉川晃司さんとの一騎打ち」

インタビュー

『るろうに剣心』の佐藤健「一番苦労したのは、吉川晃司さんとの一騎打ち」

和月伸宏の人気コミックの実写映画『るろうに剣心』(8月25日公開)で、主人公・緋村剣心役にぴったりはまった佐藤健。小柄でお茶目な優男に見えるが、実は最強の暗殺者“人斬り抜刀斎”としての過去を持ち、時折鋭い眼光を見せる。原作者のお墨付きでキャスティングされ、初めて激しい殺陣にもトライした佐藤にインタビュー、現場での撮影秘話や苦労話を聞いた。

『るろうに剣心』では、主演に抜擢されてからの反響に驚いたという。「意外に合ってるねと言われて驚きました。僕は不安でいっぱいだったし、正直、自分では剣心役に合っていると思わなかったので。でも、撮影をしていく中で、段々と自信はついてきました。クランクアップの時には、僕の演じる剣心を見てほしいと思うようになっていました」。

監督がNHK大河ドラマ「龍馬伝」(10)に続いてのタッグとなった大友啓史監督だけに、佐藤は絶大なる信頼を寄せていた。長回しで撮ることでも知られているが、「毎回撮り直すのではなく、1回1回の素材の中で、良い部分を選んでいく感じ。、OKが出ても、さらにもう1回撮る時もありますね。」と説明する佐藤。「一連をワンシーンで撮るのですが、アクションもそうだったから、それはちょっと大変でした。言ってみれば400m走を連続で何回もやらされるようなものですから(笑)」。

アクション界の第一人者・谷垣健治の指導下、ワイヤーやCGに頼りすぎないリアルな殺陣に挑んだ。度肝を抜かれたアクションシーンについても教えてくれた。「谷垣さん自身が体にカメラを装着して、走りながら撮影したシーンがあるんです。剣心が橋から飛び降り、薫を助けてゴロゴロッて行くシーン。その時は吹替の方がやってくださって、谷垣さんもカメラを回したまま飛び降りて撮ったんです。面白い画になっていますが、あれは谷垣さんにしかできない撮影だと思います」。

佐藤自身が一番体力的に苦労したのは、剣心と吉川晃司扮する宿敵・鵜堂刃衛と一騎打ちするシーンだ。「一番時間がかかったシーンで、やばい、やばい、終わらないって言いながら撮っていました」。特に印象に残ったのは、最後のシーンで、「段取りとは全然違うものになりました」と振り返る。「アクションって、本番で決めるためにたくさん練習をするんですが、吉川さんは、本番までお芝居が変化する方なので。最後のシーンの本番は1回しかやっていないけど、その一瞬をちゃんとお互いが感じ、カメラマンさんもそれを切り取ってくれた。本番で初めて生まれたものが映っていて、しっかりした手応えがありました」。

今回、主演ということでかなり集中できて良かったと振り返る佐藤。「こんなにアクションをやったのは初めてでしたが、現場はとても楽しかったです。ハードルが高かったからこそ、やりきった感はあります」と、すがすがしい笑顔に充実感をにじませる。佐藤健が体現した、優しく強い剣心が見られるのは、8月25日(土)。『るろうに剣心』は、きっと彼のキャリアにおいて、輝ける作品になる!【取材・文/山崎伸子】

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