日本を代表する鬼才・園子温監督の原点がここに!初期作品を集めたDVD-BOX発売
『愛のむきだし』(09)や『冷たい熱帯魚』(11)など、ここ数年の間に発表した作品が軒並み大きな話題となっている園子温監督。そんな彼の初期作品を網羅したDVD-BOX「園子温 監督初期作品集」が10月2日(火)に発売される。収録される14作品のうち、8作品が初DVD化となるBOXなだけに、ファンは絶対に手に入れたいところだ。
1961年生まれの園子温監督は、23歳の時に制作した8mm映画『俺は園子温だ!』(85)で「ぴあフィルムフェスティバル」に入選、注目を集める。同作は未だに自主映画を語る際に欠かせないほどの衝撃作だ。その後も『自転車吐息』(90)、『桂子ですけど』(97)などの前衛的な作品を発表し、インディーズ映画界を席巻した。2002年の『自殺サークル』以降は、徐々に知名度も上がっていき、2009年の『愛のむきだし』で第59回ベルリン国際映画祭 国際批評家連盟賞を受賞している。最近では『冷たい熱帯魚』『恋の罪』(11)がそれぞれ第68回ヴェネチア国際映画祭と第64回カンヌ国際映画祭に出品され、三大映画祭全てで作品が上映されたという快挙を達成したのも記録に新しい。
今回のBOXセットに収録されているのは、『自殺サークル』より前に発表された14作品。『俺は園子温だ!』や『自転車吐息』はもちろん、園監督の処女作である『LOVE SONG』(84)が初めてソフト化されているのも嬉しいところだ。さらに、幻の未完作品として知られていた『BAD FILM』(95)を、監督がこのBOXのために完成させたものまで収録されているというから、絶対に見逃せない。近作で園子温監督を知った方にとっても、自主映画時代から彼をフォローしている方にとっても、必須アイテムとなることは間違いないだろう。
恐らく現代の日本で最も才能に恵まれた映画作家の一人であろう園子音監督。3.11以後の世界を正面から描いた意欲作『希望の国』(10月20日公開)も待機しており、この作品にも大きな期待が寄せられている。キャリアの黄金期を迎えつつある彼の原点を、今回のDVD-BOXで探っていただきたい。【トライワークス】