『天地明察』初日で岡田准一が市川染五郎に「早く優美な踊りとお芝居を」とエール|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『天地明察』初日で岡田准一が市川染五郎に「早く優美な踊りとお芝居を」とエール

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『天地明察』初日で岡田准一が市川染五郎に「早く優美な踊りとお芝居を」とエール

2010年本屋大賞第1位に輝いた冲方丁のベストセラーを映画化した『天地明察』の初日舞台挨拶が9月15日、丸の内ピカデリー1で開催。岡田准一、宮崎あおい、横山裕、笠原秀幸、冲方丁、滝田洋二郎監督が登壇した。最初に、映画の中にも登場する江戸時代の天体観測器具“大渾天儀(だいこんてんぎ)”のお披露目セレモニーが行われ、主演の岡田は「この大渾天儀を使って撮影に臨みました。とても懐かしい気持ちです。こんな素晴らしい日本人がいたんだと、日本人の魂を感じられる作品に仕上がっています」と晴れやかな表情で挨拶した。

太陽や星を測り、日本で初めての暦作りに挑戦した実在の人物、安井算哲の物語を描く本作。メガホンを取ったのは、『おくりびと』(08)で第81回アカデミー外国語映画賞を獲得した滝田洋二郎監督だ。「映画を作るのは星をつかみに行くようなもので、とてもつかみづらいもの。いかがだったでしょうか」と語りかけ、満員の会場から拍手を浴びた。算哲を演じた岡田は、こう語った。「僕にとって大事な転機となった作品。30歳、一発目の作品として心を込めて、周りのスタッフやキャストの皆さんに良い刺激を与えてもらいながら、撮影に臨んだ作品でもあります」。その算哲をひたむきに支える妻・えんを演じた宮崎は、「みんなで心を込めた作品です。ずっと愛してもらえる作品になっていると思います」と微笑んだ。算哲のライバルにして親友の本因坊道策に扮したのが横山。「僕はずっと坊主だったのですが、そのままコンビニに行ったことを思い出した。店員さんに『どうかしたんですか?』と言われて。本当に日本の良さが詰まった映画です!」と語り、会場の笑いを誘っていた。

また、舞台の公演中に転落して入院中の市川染五郎も出演する本作。病室から会場にメッセージが届けられた。「安井算哲が常に純粋な眼差しで天空を見上げているように、日本人全員が上を向いて歩いて行く世界になってほしいと、病室から願っています」と読み上げられると、岡田は「大変お世話になった方。早くご回復して、優美な踊りやお芝居がまた見られることを願っています」と心を込めてエールを送った。

続いて、算哲が星に熱中する“星オタク”であることにちなんで、それぞれが“何オタク”であるかを発表することに。岡田は「歴史と格闘技オタク」、宮崎は「一人でものを作るのが好きなので、手芸オタク。編み物をしたり、マスキングテープでコラージュした箱に入れて、プレゼントをしたりしています」と答えた。冲方は「辞書オタクです。本棚に本を並べて、ふふっと笑ったり。共感してくれる人があまりいないのですが、広辞苑を端から端まで読みたいです」と、幅広い作風の秘訣がわかるような答えだった。

最後に岡田は「滝田組でご一緒できたことが、大切な宝物になっています。皆さんにとって、周りの助けを感じられるような、前を向いて歩けるような作品になっていることを願っています。頑張って生きていきましょう!」と力強く会場に語りかけた。ダイナミックな星空のもと、光輝くような人間ドラマが描かれる『天地明察』。スクリーンで見るにふさわしい感動作である。【取材・文/成田おり枝】

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    冲方丁の同名小説原作、江戸時代に実在した天文暦学者・安井算哲(渋川春海)を描く
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