北野武監督、『アウトレイジ ビヨンド』プレミアで「ギャラが相当かかったから大変だった」
北野武監督が、ヤクザ社会の下克上を描くバイオレンス映画の続編『アウトレイジ ビヨンド』(10月6日公開)のジャパンプレミアが、9月18日にイイノホールで開催。北野武監督、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁が一堂に会した。第69回ベネチア国際映画祭から帰国したばかりの北野監督は「1でカンヌに呼ばれ、究極の暴力映画だと言われて。腹立たしいので、2を撮ったら、今度は、(映画祭に)出す方も出す方だと言われて(苦笑)。反応が怖かったけど、ものすごい歓迎を受けて、みんなが喜んでくれたのでほっとしました」と、胸中を語った。
前作『アウトレイジ』(10)で、死んだと思われていた大友(ビートたけし)が実は生きていて、また新たな闘争に巻き込まれていく。前作から続投し、山王会会長・加藤役を務めた三浦は「とにかく、一番最後に上り詰めましたので、その人間の末路を見ていただきたい」と語ると、加瀬も「今回は出世して若頭になったのですが、どうやら器じゃなかったようで、ひどい目に遭いますが、楽しんでいただければと」と、笑顔で語った。
北野組に初参加の西田は、「念願の北野組に出られて嬉しかったし、楽しかったし、面白かったです。体の中にあったウミが出て、すっきりし、血圧も正常に戻りました」と笑顔を見せた。また「今回、生き残っている。ってことは?みたいなことを考えている次第であります」と、続編を期待する思いも語った。高橋も「憧れの北野武監督の映画に出させていただき、本当に光栄でした」と満足気な表情を見せた。
主役を張れるような豪華スターを迎えた本作について、北野監督は「ギャラが相当かかりました。事務所としても大変ですが、みなさんが友達を誘って見てもらえれば、どうにか赤字を解消できる」と、アピール。その後、「高倉健さんの任侠映画や、深作(欣二)監督の『仁義なき』シリーズなどの映画が作られてきましたが、今回たぶん、新しい時代のエピソードといえる映画が撮れたと思っております」と、力強く語った。
前作からさらにスケールアップしたヤクザの抗争は、関東VS関西という巨大な争いになっていく。今回も、気合十分のワルたち同士のガチンコ対決が見ものだ。【取材・文/山崎伸子】