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祝50周年!第50回ニューヨーク映画祭が開幕

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祝50周年!第50回ニューヨーク映画祭が開幕

『007 ドクター・ノオ』(62)が公開されて50年。かの有名な「007」シリーズが50周年を迎える今年、同じく第50回を迎えたニューヨーク映画祭が、9月28日から10月14日(日)まで開催されている。

同映画祭は、結果争いを行わないという点でベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭などとは一線を画しているが、これらの映画祭の受賞結果が出そろう前から、各国の秀作を集めており、厳しいニューヨークのジャーナリストのお眼鏡にかなう作品として、世界的に評価も高い。

そんななか、オープニングを飾ったのは世界初公開となる『Life of PI』(邦題『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』)だ。『ブロークバック・マウンテン』(05)で第78回アカデミー監督賞を受賞したアン・リー監督が、初挑戦の3D映画で斬新な映像美を見せてくれる。

他には、第65回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞を受賞したミヒャエル・ハネケ監督『Amour』、クリスチャン・ムンギウ監督が脚本賞及びコスミナ・ストラタン、クリスティーナ・フルトゥがそれぞれ女優賞を受賞した『Beyond the Hills』、日本で撮影したアッバス・キアロスタミ監督『ライク・サムワン・イン・ラブ』(公開中)、そしてニコール・キッドマンの放尿シーンが話題となったリー・ダニエルズ監督『The Paperboy』が上映される。アカデミー女優のニコールは、30年近い業績が称えられ、同映画祭で表彰されることになっており、大きな盛り上がりを見せるだろう。

また、第62回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したパオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督の『Caesar Must Die』、銀熊賞及び監督賞を受賞したクリスチャン・ペツォルト監督作『Barbara』、アルフレート・バウアー賞を受賞したミゲル・ゴメス監督作『Tabu』、第69回ヴェネチア国際映画祭で脚本賞を受賞したオリヴィエ・アサヤス監督作『Something In The Air』や、ブライアン・デ・パルマ監督作『Passion』、そして北野武監督作『アウトレイジ ビヨンド』(10月6日公開)も上映される。

さらには、レオス・カラックス監督の久々の新作『Holy Motors』、故ルーズベルト米大統領の知られざる私生活を描いたビル・マーレイ主演の『Hyde Park on Hudson』、ガエル・ガルシア・ベルナル主演の『No』、第37回トロント国際映画祭に出品され、環境破壊が生み出した新たな人食いバクテリアの恐怖を描いて話題となったバリー・レヴィンソン監督作『The Bay』、ロマン・ポランスキー監督のドキュメンタリー映画『Roman Polanski: Odd Man Out』、そしてこちらも結成50周年を迎えるローリング・ストーンズの1965年9月に行われた短期アイリッシュ・ツアーを追った最初の公式フィルム『The Rolling Stones: Charlie is My Daring Ireland 65』2012年版など、例年にも増して全世界から個性とアート性にあふれた秀作が勢ぞろいする。

なお、クロージング作品は、ロバート・ゼメキス監督作『Flight』で、主演のデンゼル・ワシントンもレッドカーペットを歩くことが予定されており、50周年を飾るにふさわしい華やかな閉幕となりそうだ。

同映画祭は50周年を迎えるに当たり、主な開催地であるリンカーン・センターでは、既にリドリー・スコット監督やクリストファー・ノーラン監督など、同映画祭で過去にフィーチャーされた監督たちの特集を組むなど、数々のイベントが開催されているが、期間中は同じく50周年を迎える名作『アラビアのロレンス』(62)の修復版記念上映などが行われるのも大きな見どころの一つとなっている。

昨年は、作品賞など第84回アカデミー賞を総なめにした『アーティスト』(11)、ジョージ・クルーニー主演の『ファミリー・ツリー』(12)、同外国語映画賞を受賞したイラン映画『別離』(12)など、賞レースに絡んだ作品が多数上映されており、今年もどの作品が賞レースに絡んでくるのか楽しみだ。【NY在住/JUNKO】

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