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桐谷健太が男のロマンを熱弁!「一生を賭けて、どでかいことを成し遂げたい」

インタビュー

桐谷健太が男のロマンを熱弁!「一生を賭けて、どでかいことを成し遂げたい」

高村薫の日本推理サスペンス大賞受賞作を原作に、6人の男たちが金塊強奪に挑む姿を描く『黄金を抱いて翔べ』(11月3日公開)。原作にほれ込んだ井筒和幸監督が、念願の映画化を実現。スリリングな展開で見るものを惹きつける骨太なエンタテインメント作品に仕上がった。また、「人生を積んできた重みのある俳優をそろえたかった」という監督の思いの下、妻夫木聡、浅野忠信ら豪華出演陣が集結。そこで、井筒組の『ゲロッパ!』(03)で映画デビュー、現在大躍進中の桐谷健太を直撃し、映画の見どころを聞いた。

メガバンクの地下に眠る240億円相当の金塊を狙う大胆不敵な男たち。その姿をどう感じたのだろう。「こんなこと、ようやるなあと思いましたね。札束じゃなくて金塊ですよ。重いじゃないですか(笑)!もちろん、一攫千金もあるでしょうが、彼らにとってこの計画は、お金のためだけじゃない。一攫千金とかではないけれど、僕も何かどでかいことをしたい、自分にしかできへんことをやりたいっていう思いはわかりますね」。

桐谷が演じるのは、6人のうちの1人で借金を抱えたシステムエンジニアの野田役。「監督と共同で脚本を書いている吉田(康弘)君は同い年で、『ゲロッパ!』でも一緒だったんですが、彼に『野田は父親に対してコンプレックスを持っている』とヒントをもらって。野田には親父を越えたいっていう思いがあるんですね。野田は見栄っ張りで、借金をしてしまう男。最初は金のために計画に乗っかるけれど、これは命に関わるんじゃないかと思って、怖くなって一度計画から抜けるんです。でも、野田はまた戻ってくる。それは、父親を越えたくて、俺はこんなもんじゃないというところを見せたかったからじゃないかと思うんです」。

謎の過去と心に闇を抱えた男たちを、そうそうたる共演者たちが演じている。刺激になったことも多かったようだ。「ブッキー(妻夫木聡)とは、『69 sixty nine』(04)で共演していて、8年ぶりに絡みましたが、安心感がありましたね。浅野(忠信)さんとは、待ち時間が6時間くらいあった時に、5時間くらい一緒にしゃべっていました(笑)。僕は浅野さんと芝居の出力方法が全然違うと思っていたので、どのように芝居をしているのか聞いてみたかったんですよね。海外での話など、『この人もずっと戦ってんねんな』と思ったり、めっちゃ刺激になりました」。

西田敏行は、『ゲロッパ!』から成長を見守ってくれている存在だ。「西田さんは唯一無二の存在ですね。『健太、行ったなあ、もっと行けよ!』って毎回言ってくれる。『お前にしかできないことがある』と言ってくれる先輩です。ほんまに嬉しいです」。どうやら現場では、共演者へのインタビュアーだったようで、東方神起のチャンミンとも会話を重ねたという。「チャンミンって純粋で、ほんまに一生懸命に取り組むんです。女の人が『チャンミン、可愛い!』っていう気持ちがわかりましたね(笑)。好きな女性のタイプとか色々聞きましたよ。あえて内緒にしておきます(笑)。昔はね、僕は自分の話ばっかりしていたんですが、今は人の話を聞きたい、吸収したいっていう思いが強いんです」。

途轍もなく大きな計画に挑む男たち。共感できる部分があったというが、自身にとって成し遂げたい“どでかいこと”とは?「僕にとっては、この役者という仕事自体がそうですね。この仕事で、もっともっと上に行くことがどでかいこと。まだ経験していないことをしたいし、知らない未知の世界に行きたいし、常に変化していきたい。現状に満足しつつも、もっと上に行きたいですね。だからこそ、もっと強く、優しくなりたいです。僕はこの役者という仕事が好きやし、こんなに面白い仕事はなかなかないと思うんです。一生を賭けてどでかいことを成し遂げたいし、死ぬ瞬間が『最高!』って思えたら良いですね」。

「強く、優しくなりたい」。彼の言葉は、役者としてはもちろん、男としての魅力にあふれている。“究極の賭け”に挑み、追い詰められれば追い詰められるほどに、男の色気がスクリーンに充満する本作で、是非とも桐谷健太の魅力を感じてほしい!【取材・文/成田おり枝】

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