ジェームズ・キャメロン、『ライフ・オブ・パイ』を「3D映画の概念を崩した」と絶賛

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ジェームズ・キャメロン、『ライフ・オブ・パイ』を「3D映画の概念を崩した」と絶賛

ブッカー賞を受賞したベストセラー小説「パイの物語」を、アン・リー監督が映画化した『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』(2013年1月25日公開)。本作について、『アバター』(09)など3D映画の先駆者ジェームズ・キャメロンが、ハリウッドにおける3D映画の概念を崩し、「これこそ3D映画のあるべき姿」と大絶賛したことが明らかとなった。

主人公は海で嵐に見舞われ、ただ一人生き残った16歳の少年パイ。家族全てを亡くし、悲しみに暮れる彼に、さらなる過酷な運命が降りかかる。パイが避難した小さな救命ボートには、何と一頭のトラが隠れていたのだ。この奇想天外なヤン・マーテル原作小説の映像化を可能にしたのが、最先端のデジタルテクノロジー技術と、ジェームズ・キャメロンが所有する3D撮影機材だった。キャメロンは「『ライフ・オブ・パイ』は、3D映画は興収が確実に見込める『アベンジャーズ』(12)のようなヒーロー作品や、『ハリー・ポッター』のようなシリーズ作品のように、スペクタクルなビッグタイトル作品でなければならないという概念を覆した。この映画はとても美しく想像性にあふれ、観客はその素晴らしい映像美をごく自然に体感することができる。いったい、どんな壮大な冒険が待ち受けているのかわからない楽しみがある。『ライフ・オブ・パイ』のような良質な3D作品は、3D映画を見ているという感覚さえも忘れてさせてくれる。これこそ3D映画のあるべき姿だ」と評価した。

驚異的な最先端技術を得たアン・リー監督は、「この映画は三次元の映像が必要だと思いました。3Dは新しい映像芸術の形。本作は冒険を通じて、希望と驚嘆を描き、精神や信念といった概念も表現しています。内容、映像、全てが壮大なのです」と語るように、3D映像による圧倒的な映像美と、少年と一頭のトラが織りなす繊細でドラマティックな関係の変化、手に汗握る冒険、大自然と生命の神秘に彩られたミステリアスな世界観を見事に描き出している。

ジェームズ・キャメロンは「今、ハリウッドで、僕の一番の懸念点は、3Dルネサンスが始まって5、6年になる僕たちが、まだこれはB級作品、これはモノクロ映画、これはカラー映画というようなカラーに関して話していた1940年代の頃の過渡期の段階にいることだ。誰だって3Dで製作されるべき作品ぐらいわかるだろう?扱う人たちが間違えさえしなければね」とも明かしており、本作が3D映画の未来を担う作品であり、またその試金石ともなるべき作品と言っても良いだろう。【Movie Walker】

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