『東京家族』舞台挨拶で山田洋次監督の文化勲章と西村雅彦のサプライズ誕生日祝い

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『東京家族』舞台挨拶で山田洋次監督の文化勲章と西村雅彦のサプライズ誕生日祝い

『男はつらいよ』シリーズの山田洋次監督の最新作『東京家族』(2013年1月19日公開)の完成披露試写会が、12月12日に丸の内ピカデリー1で開催。橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、山田洋次監督が登壇。この日は、山田監督の文化勲章の受章、本作でオマージュを捧げた『東京物語』(53)の小津安二郎監督の生誕110周年の祝福に加え、サプライズで西村雅彦の誕生日を祝った。

山田洋次の監督50周年記念作となった『東京家族』は、子供たちに会うために上京した老夫婦と子供たちが過ごす数日間を通して、家族の絆や別れ、希望を紡ぎ出した感動作だ。山田監督は、感慨深い表情でこう挨拶した。「準備を始めたのが一昨年の秋で、昨年3月11日のクランクインが迫った頃、大災害が起きて延期して。今年3月から再開し、ようやく完成しました。今日、完成披露試写会を迎え、特別の感慨があります」。

主演の橋爪と吉行は3度目の夫婦役となった。橋爪は「まんまいけました。仕事が終わったら、一緒に帰りそうになっちゃった」とおちゃめに語ると、吉行も「長いお付き合いで、舞台も一緒にやったし、長年連れ添った夫婦って感じが出ました。何の緊張感もなく、放っとかれましたが」と笑顔でコメントした。

その後、3つのお祝いをするために、順番に垂れ幕が引かれた。まずは、黒澤明監督、新藤兼人監督に続いて映画監督としては史上3人目となる文化勲章を受賞した山田監督を祝った。監督は「かなりびっくりしましたが、映画界を代表して、という気持ちでもらおうと思いました。日本映画は厳しい状態に来ているので、もっと映画界が頑張らなければいけないし、国もサポートしなきゃいけない。そういうことを感じ、嬉しい受賞でした」と語った。

続いて、小津安二郎監督の生誕110周年を祝う垂れ幕が。その後、サプライズとして用意された、西村の52歳を祝う幕を彼自身が下ろした。橋爪が「知らぬは西村ばかりなり」と、してやったりの表情を見せると、西村は「もったいないことで申し訳ございません」と照れながらもお礼を述べた。最後に「明日13日に誕生日を迎える人がいます」と紹介されたのが妻夫木だ。彼は「先程、初めて明日が自分の誕生日だと気付きました。あと5時間後だから、祝ってもらえない。惜しいところが僕らしいです」と笑いながら答えた。

山田洋次と小津安二郎という二大監督の味わい深い作風にうならされる『東京家族』。見終わった後、誰もが郷愁をそそられ、家族が愛おしく思えるような人間ドラマに仕上がった。【取材・文/山崎伸子】

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