阪本順治監督『人類資金』主演に佐藤浩市!香取慎吾、森山未來ら出演
阪本順治監督が福井晴敏と共同脚本で、旧日本軍の秘密基金であるM資金を題材に描く『人類資金』(10月公開)。本作の主演を佐藤浩市が務め、香取慎吾、森山未來、観月ありさ、岸部一徳、ユ・ジテ、オダギリジョー、寺島進、三浦誠己、石橋蓮司、豊川悦司、仲代達矢が出演することがわかった。佐藤は『KT』(02)、『みんな、はじめはコドモだった「展望台」』(08)に続いて阪本監督作品の主演を務め、テレビドラマ、短編を含めると10本目のタッグとなる。
M資金の謎を追ううちに、事件に巻き込まれていく詐欺師の真舟雄一を演じる佐藤は「厳しい日程と行程のなか、M資金を扱っていながらも重厚な娯楽作品に仕上がるであろう今作品で、阪本演出を楽しむ毎日です」と完成に期待を寄せる。謎の多いMを香取が、Mの腹心である石優樹を森山が、防衛省の秘密組織に所属する高遠美由紀を本作の紅一点の観月が、元日銀で現ベンチャー企業代表を岸部が、ニューヨーク投資銀行の清算人(暗殺者)をユ・ジテが演じる。ロシア・極東ヘッジファンド代表にオダギリジョー、真舟の相棒のヤクザに寺島、防衛省の高遠の同僚に三浦、真舟を追う刑事に石橋、かつてM資金に関わったCIA構成員に豊川、投資顧問会社の代表・笹倉暢彦に仲代が配役された。
今回のキャスティングに阪本監督は「他者に敏感で、常に光と影を内包し、そして逆境に強い、それがキャスティングの大事な要素でした。もうひとつ、厳しい製作環境の中、この作品の世界観を確実に実現するためには、私の気質、癖、いつも何をしようとしているのかをすでにご存知の旧知の俳優さんに集まっていただくことが、私の強い想いでした。私の迷いを察知し、カバーに入ってもらえる、そんな方々です。それが叶い、こんな嬉しいことはありません」と喜びを語り、「結果、愚作と言われてもかまわないから、ただひたすら愚直に頑張りたいと思います。スタッフは、あ・うんの呼吸の面々。なにが起きても、それぞれが今まで培ってきた技術を信頼して、逆境を喜びに変えて」と意気込む。
金融ブローカーを騙り、M資金詐欺を繰り返して生きてきた男、真舟のもとに、Mと名乗る謎の男と、その腹心の部下、石が現れる。彼らは真舟に、M資金は本当に存在しており、それを一緒に盗み出して欲しいと持ちかける。盗み出す金額は10兆円、報酬は50億。戸惑いつつも真舟は多額の報酬と、「成功した暁にはM資金の秘密を教える」というMの話に興味を持ち、また、何よりマネーゲームが激化した今の時代に対する閉塞感に共感を覚え、計画に乗る。
本作は、アメリカ、ロシア、タイ、日本の4ヶ国でロケを敢行。撮影は2月26日から開始されており、4月上旬まで行われる。現在はニューヨークで撮影中だ。【Movie Walker】