ダスティン・ホフマン、初監督作の撮影秘話に感涙!

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ダスティン・ホフマン、初監督作の撮影秘話に感涙!

『クレイマー、クレイマー』(79)や『レインマン』(88)で2度のアカデミー賞主演男優賞に輝く名優ダスティン・ホフマンが、初監督作『カルテット!人生のオペラハウス』(4月19日公開)で21年ぶりに来日。4月8日にイイノホールで開催されたジャパンプレミアに出席した。本作の内容にちなみ、100人のシニア合唱団やオペラ歌手・中丸三千繪らをゲストに迎えた「歌う! ジャパンプレミア」に、ダスティンはご満悦だった。また、舞台挨拶ではダスティンが撮影裏話をしながら感涙するという一幕もあった。

「歌う! ジャパンプレミア」が終わると、ダスティン・ホフマンが登場。会場から「ダスティン!」という歓声が上がると、ダスティンは「アリガト!」と日本語で挨拶。その後「本当にみなさん、素晴らしかった。舞台袖で見ていて、ちょっと悲しくなったのは、このなかで一番年をとっているのは僕ではないかと思ったことだ」と苦笑い。

ダスティンは、満を持して初監督をしたいきさつを語った。「昔からやりたかったけど、勇気がなかったし、チャンスもなかった。でも、たまたまエマ・トンプソンと共演した映画(『新しい人生のはじめかた』)を撮っていた時に、そういう話が出て。脚本を読んでとても感動したんだ。迷っていたら、妻から『これを監督しなかったらあなたと離婚するわ』と言われて。それで僕も『でも、成功しなかったら、僕が君と離婚するよ』と言ったんだ(笑)」。

本作は、現役を引退し、老人ホームで暮らす音楽家たちが、ホームの存続をかけ、コンサートに挑むという物語だ。ダスティンは撮影を振り返り、思わず涙ぐんだ。「僕は、実際のミュージシャンやオペラ歌手たちを起用したいと思った。彼らに話を聞いたら、まだ十分現役でできるのに、この20年間、全く仕事をもらってないと言っていて。アメリカ社会は、年老いたミュージシャンたちにチャンスを与えないのかもしれない。僕がオファーしたら彼らは本当にありがたがってくれた。僕は、彼らとお互いに素晴らしい贈り物を与え合えたよ」。

ダスティンの感極まったスピーチに、観客も心を揺さぶられ、最後は大きな拍手が上がった。本作は、そんなダスティンの人柄がにじみ出た人生賛歌のドラマとなっている。【取材・文/山崎伸子】

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