佐藤浩市、香取慎吾らがレッドカーペットに登場!豪華キャストでノーベル平和賞を目指す?
“戦後最大のタブー”とも言われている旧日本軍の隠し資産“M資金”を題材にしたサスペンス大作『人類資金』(10月19日公開)。10月10日、公開を目前に控えた本作のプレミア試写会が丸の内ピカデリーで開催され、豪華キャスト陣が舞台挨拶に登場。上映前にはレッドカーペットを闊歩し、集まった観客からの声援に応えた。
この日、登壇したのは佐藤浩市、香取慎吾、森山未來、石橋蓮司、寺島進、三浦誠己、岸部一徳らそうそうたる役者陣。さらに監督の阪本順治、原作者の福井晴敏を加えた“人類資金クルー”9名が撮影を振り返り、公開に向けて本作の魅力を語り合った。
劇中、“M”という名の重要な役で登場する香取は「M役の香取です。普段はSなんですけど(笑)」と場を温めると「そうそうたる皆さんとご一緒できてうれしい。森山未來君だけには先輩づらをしてたけど(笑)」とクルー間の親密さを示すエピソードを披露。森山も「こんな強者たちと関わることができて、一緒に作品を作ることができてうれしい。熱量のつまった映画になっているはず」と公開直前の興奮を伝えてくれた。一方、主演の佐藤は「(共演の)観月ありさがいないと、こんなにもむさ苦しいのか(笑)」と発言すると、香取も「男だらけなので裏では『この後どこに飲みに行こうか』という話ばかりです」と明かす一幕があった。
挨拶を終えると、それぞれの登壇者たちが撮影の過酷さを物語っていく。佐藤は「撮影の予備日がなく、ドキドキしました。ロシアでマイナス20℃、タイで40℃。寒暖差60度です」と振り返る。森山は「クランクインが国連本部でのスピーチのシーンだった。その時点では、この映画が成立するかどうかも怪しい状態でした」と、製作上の困難を迎えていたとコメント。すると佐藤が「国連の内装の関係で、撮影が去年の5月までだった。それで、『撮れるなら撮っちゃえ!』って(笑)。もし、国連のシーンで終わったら『国連』っていう短編で発表するつもりだったんですよね、監督?」と秘話を暴露し、監督を苦笑いさせた。
『亡国のイージス』(05)でも阪本監督とタッグを組んだ経験のある福井は、同日に行われるノーベル文学賞の発表に触れ「このイベントの記事は全部流れるかも(笑)。ネット検索で引っかかるように言いますと、この映画はノーベル平和賞向きの作品です。ここにいる全員でノーベル平和賞を目指します!」と高らかに宣言し、会場を沸かせた。また、「昔は社会派映画と娯楽映画があったが、いまは娯楽ばかり。社会派がまだ健在なことを、ここにいるみんなで示してやりたい」と強い気持ちを観客にぶつける。阪本監督も「人生を振り返るとこの映画が一つの終着点となった。愚直に、荒っぽく作りました。みなさんと仕事できた幸せを感じております」と感慨深くコメントし、プレミア試写会の挨拶を締めくくった。【取材・文/トライワークス】